Photo by gettyimages

孫正義「10兆円ファンド」の資金調達を支えた男「ラジーブ・ミスラ」とは一体何者か?

「ビジョン・ファンド」誕生秘話

いまだ成し遂げていない

1987年にソフトバンクグループ孫正義代表を取材して以来34年、この度、その集大成として『志高く 孫正義正伝 決定版』を刊行した。本書で孫は無番地での生い立ちからAI革命、ビジョン・ファンドまで縦横に語っている。

「ソフトバンク・ビジョン・ファンドは、もう願いはただひとつです。そもそも、ソフトバンクはPC革命の入口で創業したわけです。創業したけど、まだ何者にもなり得ていなかった。

次は、インターネット革命の入口で、気がついてはいたけれど、いくらか投資はしたけれど、まだ何者にもなり得ていない。

次にモバイルインターネットが来たけれど、これも誰よりも早く気づいて、誰よりも早くスティーブ・ジョブズに、iPhoneを発表する前に会いにいった。アジアや中国だって、誰よりも早くジャック・マーを見つけて、というふうにやったけど、全部、ぼくに言わせれば、中途半端な成功しかしきれていない。そこにぼくの忸怩たる思いがある」

Photo by gettyimages
 

孫のビジョン・ファンドの「夢を共有する」中心人物がラジーブ・ミスラ(ソフトバンクグループ副社長執行役員)である。

ラジーブはこれまでほとんどメディアに登場することがなかった。

「ラジーブは非常に頭が良くて、数字がわかって、柔軟でね。でも、人柄が良いんですよ。結構、優しい。もちろん、銀行家というのはお金を貸すという立場ですから、物事を悲観的に見なきゃいけない、現実的な目で見なきゃいけないという部分も必要です。

普通、銀行家は、そっちのほうが強いわけで、リスクのほうばっかり見る人が中心なんです。彼はその部分も長けてはいるんだけど、最後にはポジティブサイドも見る、夢追人のひとりだ」

孫とラジーブとの出会い、ビジョン・ファンド(10兆円ファンド)誕生秘話、そしてラジーブとは何者なのか。本書から紹介したい。

孫には特別ななにかがある

2003年、ラジーブはドイツ銀行勤務時代に孫とはじめて会った。

ラジーブの担当は債券とレンディングで、日本テレコムの固定回線ビジネス、Yahoo!BBなどのプロジェクトのファイナンスにかかわったラジーブは、「当時、東京オフィスに行くことを楽しみにしていた。おいしい食事など、いい時代だった」とラジーブは当時を振り返る。

孫は、次の10年についてプレゼンをした。ラジーブにとって懐疑的な部分もあったが、お金を貸した。もちろんドイツ銀行側でリスクヘッジもした上で。

翌2004年、孫とラジーブは再会した。孫はラジーブに自分をインドに連れて行くよう促した。

編集部からのお知らせ!

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/