高所得層は不合理故に収奪せよー習近平政権の危うい「劫富済貧革命」

「共同富裕」の意味、毛沢東への回帰か

毛沢東時代、ふたたび

中国では昔から「劫富済貧」という思想があって、金持ちを脅かしてその財産を奪い、貧民に分配して救済する、という意味合いである。

近代以前、歴代の王朝時代の農民一揆や政治的反乱は往々にしてこれをスローガンに掲げて民衆の支持を取り付けようとしていた。実は当の中国共産党も、党設立の当時からこの思想を旗印にして「革命」を起こして政権奪取に成功したという歴史がある。

政権樹立後の毛沢東時代、中国共産党は、やはり「劫富済貧」をモードとした社会主義経済体制を作り上げて、効率の悪い経済運営を行っていたが、やがて鄧小平の時代になると、政権が前述の「先富論」を持ち出して瀕死の中国経済に活力をもたらし、それが今までの高度成長につながったわけである。

 

しかし今、政治運営とイデオロギの面で毛沢東時代への逆戻りを進めている習近平政権の下では、高収入層を標的にした現代版の「劫富済貧革命」は再び起こされようとしている。

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