高所得層は不合理故に収奪せよー習近平政権の危うい「劫富済貧革命」

「共同富裕」の意味、毛沢東への回帰か

政権が認定すれば高収入は「不合理収入」に

そしてその具体的なやり方として前述の会議の発表は次のような重要なことを述べている。

「不法収入を断固として取り締まり、不合理収入を整理・規制することによって、収入分配の秩序を立て直す」「高収入層に対する規制と調節を強化させ、高収入を合理的に調節し、高収入層個人と企業が社会により多く報うように誘導しそれを促す」と。

ここに出てくるのはやはり「収入」というキーワードであって、ポイントとなっているのは「高収入層」、たくさん儲かっている人々のことである。彼らこそは、習近平流の「共同富裕社会達成」のための政府手段の標的となろう。

まず注目すべきなのは、こうした高収入層に対しては、その「不法収入を断固として取り締まり、不合理収入を整理・規制する」という表現である。

「不法収入」ならその意味するところは明確であろう。不法な手段で得た収入や、脱税によって増やした収入などがそれである。問題は、「不合理収入」とは何かだ。

「不合理収入」はここでは「不法収入」と別々にされているから、中央会議のいう「不合理収入」は当然、「不法収入」に当たらない。つまり、合法的な収入であってもそれが「不合理収入」であれば、政府による「整理・規制」の対象となるのである。

しかし一体どういう収入が「不合理収入」なのか。それに対する厳密な法的規定は当然ない。結局のところ、政府が「不合理」だと認定すればそれはすなわち「不合理収入」となるのである。

 

ここまで来たら、習近平政権のやろうとしていることはもはや明々白々である。国中の高収入層を標的にし、彼らの得た不法収入を取締りによって没収するのと同時に、高収入層が合法的な手段で得た正当的な収入に対しても、政権はそれを「不合理収入」だと勝手に認定した上で、政治的手段を用いてそれを収奪するのである。

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