自衛隊によるアフガニスタンからの「邦人輸送」、実は「大きな問題」があった

空港の外では、何もできない…
半田 滋 プロフィール

これまでとは、危険性が異なる

だが、今回は過去に実施した邦人輸送とは難易度が違う。

そもそも邦人輸送とは、危険が差し迫った外国にいる日本人を自衛隊が艦艇や航空機で安全な国や地域へ輸送することで、政府専用機を導入したことがきっかけとなり、1994年11月の自衛隊法改正で初めて規定が盛り込まれた。

アフガニスタンへ派遣されたC130輸送機の同型機(防衛省提供)
 

過去には以下の通り、4回の実施例がある。

(1) 自衛隊のイラク派遣に際し、現地の治安が悪化し、2004年4月15日、陸上自衛隊が派遣されていた南部サマワで取材をしていた報道機関の日本人10人をC130輸送機でクウェートまで輸送した。

(2) 2013年1月16日、アフリカ北部のアルジェリアで日揮の石油プラントが武装勢力に襲撃され、日本人が巻き込まれて死亡。日本政府は政府専用機を派遣して、日本人の遺体9体とその家族ら日本人7人を日本に輸送した。

(3) 2016年7月1日、バングラデシュの首都ダッカのレストランが襲撃を受け、日本人が死亡。政府は政府専用機を派遣して、日本人7人の遺体とその家族を日本に輸送した。

(4) アフリカの南スーダンにおける大統領派と副大統領派の戦闘激化を受け、2016年7月14日、航空自衛隊の輸送機を派遣して大使館職員4人を首都ジュバからジブチまで輸送した。

過去には、さほどの危険がない中でも実施されている。利用されたのはすべて航空機だが、2013年に起きたアルジェリアのテロを受けて自衛隊法が改正され、車両による陸上輸送が追加された。

しかし、いずれの国も自国の治安は軍や警察が担う。自衛隊を派遣して日本人を陸上輸送しようにも相手国が自衛隊の受け入れを認めなければ、実施するのは不可能に近い。

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