西浦博教授が考える「ワクチン接種が進む日本」でこれから先に見込まれる“展開”

明るい未来を切り開くために
西浦 博 プロフィール

免疫の失活が起こる

予防接種だけに頼った政策で集団免疫による流行自体の予防が簡単にはできない事実に加え、ワクチンの効果は接種後の時間とともに失活することもわかってきた。

これは主にイスラエルにおいて今年の早い時期から予防接種をしてきた高齢者が、最近になって新たに感染していることがデータとして集積され始めたことから判明した。具体的な持続期間は未だ明らかにされていないが、観察データを見て分析している限りは2回目接種後6-7カ月で感染している事例が珍しくない。

つまり、ワクチン免疫の持続期間は限られている、というものである。

photo by gettyimages
 

他方、十分にわかっているのは発病の有無に関するものだけであり、重症化や死亡を防ぐ効果がどれくらいの間持続するのかは十分に明らかでない。今後のデータ蓄積で明らかになる見込みである。

これが意味するのは全2回の接種だけで予防接種が終わるわけではないということである。ウイルスの抗原性進化(新しい変異株の出現)に合わせることになるだろうが、免疫が失活した際には流行までの間にイスラエルや米国・英国が決断したような3回目接種が必要になる*1

これは再接種による免疫の再活性化を期待するもので、ブースター接種と呼ばれる。ブースターは1回で済むかと言えば、おそらくそうではなく、今後の流行動態を注意深く見極めることが求められる。

関連記事

おすすめの記事