2021.08.30

インフレ経済突入で、今度こそ日本は「勝ち組」になるかもしれない

転換間近の「ゲームのルール」
大原 浩 プロフィール

人口減少もインフレを加速する

資本主義の歴史を振り返れば、「インフレ基調」が大原則で、「デフレ」は極めて特殊な現象だといえる。

おおよそ4半世紀もデフレが続いてきたので当たり前に感じがちだが、デフレは資本主義においては極めてまれであることを忘れてはいけない。

その特殊な現象が長く続いた原因には色々あるが、

1.IT・インターネットの発達によるコスト削減(生産性向上)効果

2.中国を中心とする新興国による「デフレの輸出」

が特に重要だと考える。

2ついては2019年5月29日公開の「世界経済低迷の最大原因・中国が退場すればデフレが終わる」で述べた内容が現実のものとなりつつあるし、1に関しても「DX推進」がインターネット・ITによる生産性向上の最終局面だと考えている。つまり、いわゆるIT・インターネットの「デフレ要因」としての存在もこれから薄れるということだ。

また、2の新興国が「デフレの輸出」を行うことができたのは、いわゆる人口ボーナスによって安くて勤勉な労働力を獲得できたからだ。しかしその前提が崩れ始めている。

まず、世界人口は2064年に97億人のピークに達した後減少に向かうとワシントン大学は予測している。

20世紀以降、特に第2次世界大戦以後の「人口爆発」も最終局面にきているということだ。

7月25日公開の「成長前提の社会保障はもう持たない―マルサス型世界の到来に備えよ」で述べたように、少子高齢化はこれから長期的に重くのしかかる世界的問題である。

要するに、生産をしないで消費だけを行う高齢者が増加し、生産年齢人口が減るのだから、単純に考えれば需給のバランスが崩れるインフレ要因である。

その他のデフレ要因が強すぎてあまり意識されないが、「日本の生産年齢人口は1995年をピークに減少に転じており、総人口も2008年をピークに減少に転じている」のだ。これはいったんインフレに転じたらかなりの「加速要因」である。

 

また、「デフレ輸出国」である中国の生産年齢人口(15~59歳)は10年ほど前にすでにピークアウトし、現在までに数千万人規模で減少しているとされる。

各国の人口構成を考えれば、長期にわたるインフレ基調は避けられないといえよう。

SPONSORED