対決・朝カレーvs. 夜の締めラー、健康によくないのは? からだにいい間食の秘訣も伝授

からだの時計を指標に心身を整えよう
柴田 重信 プロフィール

罪悪感なし! 攻めの間食

次に、イヌリンやおからを含み糖質を抑え、食物繊維が炭水化物の約50%を占めるようにした市販クッキー(E-G社の市販品Sを使用。以下GSクッキー)、もしくはごく一般的な、普通のクッキーを、被験者に間食で食べてもらい、その後の夕食の血糖値を比較するという実験を行いました。

この場合、最初の1週間には普通のクッキーもしくはGSクッキーを食してもらい、次の1週間はクッキーを入れ替えて食してもらいました。その結果、1週間連続で間食を摂取すると、GSクッキー摂食時は、間食時の血糖値が普通のクッキーより低く、またその後の夕食時の血糖値も低く推移しました。

これらの実験から、食物繊維が豊富な間食は、遅い夕食時の血糖値スパイクの抑制にもなることがわかりました。間食をするなら、スマートスナックと呼ばれる、糖分、塩分や脂肪分を抑えて、タンパク質や全粒の穀物などの含有量を増やした、健康的なおやつがおすすめです。

【写真】スマートスナックがおすすめスマートスナックと呼ばれる健康的なおやつがおすすめ photo by gettyimages

夜食を摂るなら

夕食と次の日の朝食との間に食べることも間食になりますが、一般的には、夜食と呼ばれています。時間栄養学的には、夜食の間食は間違いなく、禁止すべきでしょう。しかしながら、どうしても食べたくなる人には、少しでも体に負担がかからないスナックを考える必要があります。

我々は、ヒトを対象とし、食物繊維が豊富なGSクッキーを夕食と就寝の間の時刻に食べてもらい、睡眠や血糖値に対する作用を調べました。同じ人で、普通のクッキー、GSクッキー、間食なしの3回、別の日に夜食を施行してもらい、比較しました。その結果、間食なしのときに比較して、普通のクッキーやGSクッキーを摂ったときは、夜間の血糖値にほとんど差はありませんでした。

一方、腕時計型のセンサーで評価した睡眠については、普通のクッキー群で他の2群に比較して睡眠時間が短縮したのに対して、GSクッキー群では、そのような変化は見られなかったのです。また、次の日の朝食後の血糖上昇では、GSクッキー群は有意に低い値を示しました。

このことから、夜食はやはり睡眠や血糖に良くはないが、摂るならGSクッキーのように炭水化物を抑えたものなど健康的なものを摂るのが良いといえます。

【グラフ】夜食摂取後の睡眠変化夜食摂取後の血糖値変化と睡眠変化。普通のクッキーはGSクッキーに比較して総睡眠時間や浅睡眠時間が短く、朝食後の血糖値がGSクッキー食で低い

なお、高齢者など筋肉が落ちやすい場合に、寝る前にタンパク質やアミノ酸を摂ると睡眠中の筋肉の分解が止められるという報告もあります。

心身を整える指標のひとつとして

こうした、朝食や夕食、間食や夜食を摂るという食行動と、それによって体で起こる時間帯別の反応(生体の朝・昼・夜など時間軸で起こっている種々の生化学的・分子生物学的変化)との関係を科学的に研究するのが「時間栄養学」です。

もちろんまだまだわからないことも多いのですが、解明されていることや可能性が高いことなどを知ることは、心身を整える1つの指標になるでしょう。

我々人間はそれぞれ個人ごとの生活リズムがあり、遺伝要因・環境要因のなかで生活しているわけなので、これをうまく調和させ、個人ごとに時間を意識しながら健康を考えてはいかがでしょうか?

【写真】それぞれの環境とリズムを調和させた健康ために時間栄養学を私たち、それぞれの環境とリズムを調和させた健康のためにも、時間栄養学を役立ててほしい photo by gettyimages

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食べるタイミングによって、身体への影響が違うことを、私たちはなんとなく感じていますが、その影響は科学的に解明されつつあります。時間に影響を受けるのは、時間栄養学と関連して、服薬の効果、運動との関係、体内時計の不調である時差ボケなど、時間栄養学を健康により役立だてせる可能性についても解説!

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