対決・朝カレーvs. 夜の締めラー、健康によくないのは? からだにいい間食の秘訣も伝授

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柴田 重信 プロフィール

間食は摂った方がいい!?

朝食の効果が昼食の血糖値変動に影響したり、昼食の効果が夕食に影響したりすることがわかってきているのですが、このように摂った食事の効果が次の食事に与える効果をセカンドミール効果といいます。そのメカニズムは十分にはわかっていませんが、間食が与えるセカンドミール効果の可能性を紹介したいと思います。

【写真】おやつはたして間食・おやつの影響は? photo by gettyimages

昼食から夕食までが長時間になる人が、午後4時頃におやつを食べるという設定で説明しましょう。

おやつを食べずに夜遅い晩ごはんを摂ると、晩ごはんまでに脂肪の分解が促進されます。脂肪が分解されると、脂質の成分である遊離脂肪酸が血中に増え、この遊離脂肪酸がインスリン(血糖を下げる働きのあるホルモン)の働きを妨害するので、インスリンが効きにくい、すなわち高血糖が起こります。

ところが絶食を解消すべく間食を摂って血糖値をある程度上げると、遊離脂肪酸が出ず、インスリンが効いて高血糖になることは免れます。間食を摂ることで、インスリンの作用を補足するようなインクレチンと呼ばれる消化管ホルモンが出て、夕食時にインスリンの働きを強めてあげられるのです。

あるいは、間食を摂るので筋肉でのブドウ糖の取り込みに準備ができている状態となり、いざ夜遅く食べても筋肉にブドウ糖が運ばれるので血糖上昇を起こさないということも起こります。

一般的に、間食には食物繊維が多い方がセカンドミール効果が出やすいことから、食物繊維が腸内細菌に影響し、その代謝産物などが糖の代謝機構やインスリンの分泌や働きに影響を及ぼす可能性も考えられます。

間食の摂り方は夕食時の血糖値に影響

我々は、昼食と遅い夕食の間に間食を摂ると、夕食の血糖値にどのような影響が出るかを調べました。

被験者には24時間血糖測定装置を腕に装着してもらい、昼食と夕食との間食で、大麦若葉の乾燥粉末あるいは桑の葉の乾燥粉末3gを水に溶かして、クッキーと一緒に摂るという実験を行いました。

昼食と夕食は8時間空け、昼食から4時間経過したときに、クッキーのみを食べる場合、クッキーと桑の葉ジュースを摂る場合、クッキーと大麦若葉ジュースを摂る場合、あるいは間食を摂らない場合、の4パターンを2週間の間にランダムに行ってもらいました。4パターンのいずれかの間食を摂るときは、栄養価などを計算し、炭水化物、タンパク質、脂質の割合などを考慮した規定食を夕食に摂ってもらうようにしました。

まず、間食時の血糖値は、クッキーのみを摂った場合が一番高く、次に、桑の葉も摂った場合、大麦も摂った場合の順に高く、間食なしでは、90mg/dL程度という低い血糖値のベースを保ったままでした。

次に夕食時の血糖値についてですが、間食を摂らなかった群が、夕食は規定食で同じものを食べているにもかかわらず、一番の高血糖になり、次に高血糖になったのは間食時にクッキーのみを摂った場合でした。桑の葉や大麦若葉を間食で摂った群では、間食なしの群に比較して夕食時の血糖は有意に低下しました。

【グラフ】午後の間食が夕食時の血糖変化に及ぼす影響午後の間食が夕食時の血糖変化に及ぼす影響。昼食4時間後に間食を摂ると、夕食時の高血糖(血糖値スパイク)を抑制できる。クッキー単独より桑の葉や大麦若葉の粉末を同時に摂取すると、間食時や夕食時の血糖上昇も抑制できる Kuwawaraら(Nutrients , 2020)

その次に、間食で高血糖を防ぐことができると夕食時の高血糖も防ぐことができるのではないかと考え、間食時血糖値と夕食時血糖値の相関を取ってみました。そうするとまったく相関しないことがわかり、それぞれの現象は独立に動くものと考えました。

さらに、間食なしで規定食を夕食に食べたとき高血糖になりやすい9人(以下、〈高血糖グループ〉)と、高血糖になりにくい9人について、セカンドミール効果を調べてみました。その結果、高血糖をきたしやすい人ほどセカンドミール効果が現れやすく、桑の葉や大麦若葉と一緒に摂取するとより効果が大きいという結果となりました。

このときの高血糖グループの人は、BMI(ボディマス指数:体重(kg)を身長(m)の2乗で割った数)が低くやせ気味という傾向がありました。また、このグループの人は多くが夜型でした。つまり、この実験での高血糖グループの人は、夜型でやせ気味で、夜の食事で高血糖になりやすいタイプだったわけですが、そういう人は食物繊維が多い間食を摂れば、夜の高血糖を予防できる可能性が高いのではないかと考えられます。

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