Image by iStock

日本の気候を支配する謎の大海「インド洋」の知られざる姿

どこからどこまでがインド洋?

太平洋や大西洋に比べ、インド洋は一般に馴染みの薄い海かもしれません。一方、それだけに、インド洋には、アラビアンナイトから連想されるようなエキゾチックな魅力があり、なにかふしぎなことがたくさん隠れているのでは?……と、好奇心をくすぐられる方も多いのではないでしょうか?

まさにそのとおり、インド洋は、知れば知るほど面白い海なのです!

本稿では好評発売中の『インド洋 日本の気候を支配する謎の大海』から、知られざるインド洋の魅力をご紹介します。

どこからどこまでがインド洋?

インド洋と聞くと、みなさんはどんな地理、あるいはどんな海域や風景を、思い浮かべるでしょうか?  図1-1に、インド洋を中心とする世界地図を示しました。どこからどこまでがインド洋なのかについては、国際水路機関(IHO : International Hydrographic Organization)によって、明確に定義されています。国際水路機関とは、海図や水路測量に関わる科学的活動を統括する組織で、モナコに本部があります。

インド洋は、その南側を除いて、ほぼ途切れなく陸地によって囲まれています。その海岸線が、おおむねインド洋の外周と思って間違いありません。

アフリカ大陸の最南端(アガラス岬)から始めて、時計回りに海岸線をたどってみましょう。アフリカの東海岸、アラビア半島、インド、マレー半島北部、インドネシアを経て、オーストラリア大陸の北側→西側→南側へと続きます(インドネシアからオーストラリアにかけては、島づたいに境界線が定められており、タニンバル諸島最南端からニューギニア島南部を経て、オーストラリアのヨーク岬半島北端にいたります)。

アフリカ大陸の南側は、大西洋と海でつながっているので、境界線が必要です。その境界線とは、アガラス岬の位置する東経20度線を、まっすぐ南へ延ばしたラインです(図1-1に点線で示しました)。

また、オーストラリア大陸の南側の海は、太平洋とつながっているので、ここにも境界線があります。オーストラリアのタスマニア島の南西海岸から、東経147度線をまっすぐ南へ延ばしたラインです(図1-1参照)。

インド洋の南側はどうでしょうか。

南緯60度線(図1-1の破線)がインド洋の南限です。その南側に南極海と南極大陸があります。インド洋と聞くと、なんとなく「熱帯の海」のイメージが強いですが、南極大陸にほど近い極寒の海もまた、インド洋の一部をなしています。

インド洋・太平洋・大西洋を合わせて、「三大洋」とよぶことがあります。インド洋の境界がわかったところで、インド洋と他の大洋とを比較してみましょう。

「三大洋」のなかのインド洋

表1-1は、三大洋の面積や体積などをまとめたものです。面積・体積とも、太平洋が圧倒的に大きく、インド洋は、大西洋に次いで3番めの大きさです。一方、平均深度では、インド洋は太平洋に次いで2番めで、けっこう深い海であることがわかります。インド洋の深海底の地形はなんとも複雑で面白いので、次の節で詳しく見ることにしましょう。

インド洋の大きな特徴といえば、三大洋のなかで唯一、北極海とのつながりがないことです。巨大なユーラシア大陸が、北側を完全にふさいでいるからです。

図1-2を見て、地球の緯度ごとに大陸および海(三大洋)がどのくらいの面積を占めているか、比べてみてください。インド洋の関わる緯度帯が、太平洋や大西洋に比べて、圧倒的に南半球に偏っていることがわかります。

インド洋の北方に巨大なユーラシア大陸が存在することが、インド洋に特有のモンスーン(季節風)現象とつながっています。

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/