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# 国際

アフガニスタン「早すぎた首都陥落」で膨らむ「人権蹂躙とテロ」の懸念

日米欧の敗北と言うほかない

日米欧の敗北にほかならない

太平洋戦争の終結から76年の節目を迎えた8月15日の日曜日、世界は新たな歴史的事件に遭遇した。米軍の撤収作業が続くアフガニスタンで、首都カブールがイスラム主義武装組織タリバンの掌中に落ちたのだ。ガニ大統領はアラブ首長国連邦(UAE)に避難し、既存の政権は瓦解した。

ガニ大統領は米国暮らしの長い、学者出身の政治家だ。米国の支援を受けて2度の大統領選挙をしのいできた。

2014年から大統領を務めていたガニ氏/photo by istock
 

それゆえ、カブール陥落は、米国を中心とした日米欧の敗北に他ならない。アフガン戦争は「テロとの闘い」という触れ込みで、米国が北大西洋条約機構(NATO)や日本、現地勢力を巻き込む形で始まり、20年近くに及んだ。この「米国史上最も長い戦争」は明らかな失敗に終わった。

失敗は、アフガニスタンが2001年の911テロ(米同時多発テロ)当時のようなテロリストの巣窟に戻ることを国際社会が強く懸念せざるを得ない状況を生みだした。放置すれば、世界各地でイスラム原理主義を掲げるテロリストが勢い付きかねない。

カブール陥落から1週間あまりが経ち、当のアフガニスタン国内では、早くも言論・報道の自由のほか、女性を中心にした人権の抑圧が顕在化し始めている。

今週は、この困難をどう乗り越えていくべきか、その方策を考えてみたい。

まず歴史的背景を見ておこう。混迷の始まりは、1979年の旧ソ連の軍事侵攻だ。ソ連には、当時のアフガニスタンの共産主義政権を武装ほう起した勢力から守り、イスラム原理主義がソ連に流れ込むことを防ぐ狙いがあった。10年に及んだ侵攻は火種を残した。旧ソ連軍と戦った勢力が分裂して争いを繰り返す時代を招いたのだ。

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