小6のときに義兄に襲われ…20歳で体を売り実家から逃げた美女の「壮絶な生い立ち」

パパ活~新貧困時代の女たち(8)後編
安本 由佳 プロフィール

「普通になりたい」必死で努力してきたが…

メンタルを病み仕事に行けなくなっても、美鈴さんには頼れる人も場所もない。

お金を稼がないことには生活していけないため、彼女はふたたびメンズエステで働くようになった。

起き上がれない日が多く、月に10日程度しか出勤できないが、それでもメンズエステであれば25万円程度の月収は確保できる。

昨年、新型コロナウィルス感染拡大でメンズエステの客足が落ちた際には、パパ活で収入補填しようと考えたこともあった。しかしタチの悪い詐欺に遭ってすぐに辞めたらしい。

一人暮らしをしている大宮のマンションは家賃7.5万円。彼女は贅沢品に興味がなく、散財するタイプでもないから、節約すればどうにかやっていけるそうだ。


「不運」などという言葉ではとても片づけられない、孤独で壮絶な人生を歩んできた美鈴さん――しかし彼女の話す言葉はどれも真っ直ぐで、擦れたところを微塵も感じさせないのが印象的だった。

そのことを伝えると、彼女は遠慮がちにこう答えた。

「“普通”に見えるよう、努力してきました」

自身の境遇が“まっとう”ではないことを早々に自認し、普通であろう、普通に見られなくてはと強く意識して生きてきたという。

 

勉強は好きになれなかったが、小説を数多く読んで語彙を増やしたり、品の良い言葉遣いや話し方も研究した。人の目を見て話す、姿勢を正す、自分の意見を言う……etc きちんとした人だと思われたくて、礼儀やマナーも独学した。

しかしながらそれだけの努力をしてもなお、彼女にとって“普通”に生きることはとても難しかった。

同年代の女の子たちのように、楽しく仕事がしたい。恋愛も結婚もしたい。子どもだって欲しい。

けれどもメンタルを病みメンズエステで働くしかない状況にいる彼女にとって、その夢は非常に遠いところにある。

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