水野綾子さん

熱海の企業と首都圏の人材を「複業」でマッチング!

「地方には面白い仕事がない」は、ウソ
副業によって、人生やキャリアを豊かにしている人・組織に注目する本連載。第3回となる今回は、「熱海の企業と首都圏の人材を『複業』でつなぐ」をコンセプトに、地方と都市の新しい関わり方や働き方を生み出しているプラットフォーム「CIRCULATION LIFE(サーキュレーションライフ)」を紹介する。早速、責任者の水野綾子さんと、実際に熱海で複業をしている佐々木梨華さん、小林未歩さんに、どのようにして個々人の副業(複業)を活かしているのか、話を伺った。

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「副業」ではなく「複業」で、都会と地方が交流

――どんな経緯で「CIRCULATION LIFE」を始められたのですか?

水野 2019年7月から運営を始めました。2015年頃から熱海と東京を行き来する生活を始め、私は2017年に家族で熱海に移住。当時は会社員だったので、熱海-東京間を移動し二拠点生活を送っていました。熱海は東京から新幹線で約40分の距離にあります。往来もしやすく、都会の人たちにとっても何かに挑戦したり始める場として可能性があると感じていました。

水野綾子さん 撮影/栗原洋平

――ご自身の二拠点生活が一つ基盤にある、と。

水野 私の実家は、実は熱海のお寺なんです。2014年に父が体調を崩したことで、私がお寺を継ごうと決意しました。お寺は元来、地域コミュニティの中心でしたが、役割が形骸化している部分があります。これからのお寺のあり方を考える上で、まずは地域のことを知ろうと、熱海に関わり始めました。

もともと私は、故郷の熱海に魅力を感じられずにいたんです。就職も、東京の出版社へ。ですが、都心に出て、結婚し、子どもも生まれる中で、“外側”から熱海を見直してみると、環境の良さに気づきました。再び熱海に関わり始めてからは、熱海のさまざまな人、企業に出会い、お寺を起点にして街を知っていくうちに人脈も広がり、熱海の魅力、また熱海の課題を感じるようになりました。

――熱海の課題には、たとえばどんなものがありますか?

水野 当時は「地方には面白い仕事がない」と言われていました。でも、実際には面白い企業がたくさんある。さらに話を聞いてみると「実はこんなことがしたい」「こんな課題があって」「これをお願いできるとありがたい」といった積極的な仕事の種もあるんです。でも、それを仕事にして人を募集するという考えがありませんでした。

一方の都会の人たちの中には、地域に貢献したいと思っている人たちがたくさんいます。地域企業は課題を解決したり事業を推進でき、都会の人たちは地域で自分の経験やスキルを活かせる。そんな関わり合いを作れたらと、熱海の仕事を都会の人が複業でするためのマッチングを始めたんです。

――「CIRCULATION LIFE」では「ふくぎょう」をサブの意味の「副業」ではなく、パラレルの意の「『複』業」という表現を使っていますね。

水野 「本業/副業」というと、副業で収入を補完する――いわゆる小遣い稼ぎのようなイメージを持たれがちです。もちろん充てる時間や得られる収入には差があると思いますが、片手間で関わるといった「副」ではなく、同時並行で、本業と同程度の“思い”を持ちながら関わる「『複』業」が、個人と企業双方にとって良い関係を築けると考えています。

 

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