2021.09.01
# 新型コロナウイルス

「ワクチン大国」アメリカでいま本当に起きている「ブレイクスルー感染」の恐ろしい現実

飯塚 真紀子 プロフィール

サンタクララ郡の「データ」から見える現実

「ウイルスが他の強い病原体と合体したら、ブレイクスルー感染は生活の一部になるかもしれない」と感染症の専門家は懸念を示しているが、身近でブレイクスルー感染の声が聞こえ始めている状況を考えると、すでに、生活の一部になっているのではないか。

ブレイクスルー感染が増え始めたことから、カリフォルニア州サンタクララ郡は、ブレイクスルー感染の件数を公開し始めた。例えば、8月18日時点では、同郡の人口10万人当たりのブレイクスルー感染の件数は7日間平均で9.7人と、ワクチン未接種の感染者数32.3人の約3分の1。しかし、下のグラフからわかるように、その数は7月以降急増している。

サンタクララ郡の新規感染者内訳
拡大画像表示
 

政治家のブレイクスルー感染も相次いでおり、トランプ氏の盟友で共和党の重鎮でもあるリンゼー・グラム上院議員(66)やテキサス州の州知事グレッグ・アボット氏(63)もブレイクスルー感染した。

もっとも「ブレイクスルー感染は非常に稀」というのがCDCの見解だ。しかし、CDCはブレイクスルー感染の数を正確にトラッキングしているとは言えないようだ。

CDCの分析は従来株をベースにしたもので、現在蔓延しているデルタ株をベースにしておらず、また、ブレイクスルー感染の中でも重症化して入院したケースや死亡したケースしかトラッキングしていないと指摘されているからだ。

ブレイクスルー感染の場合、多くは症状が軽いことを考えると、感染していることに気づかぬまま治癒したために、カウントされていないブレイクスルー感染者が多数潜在している可能性がある。問題は、そんなブレイクスルー感染者もワクチンが未接種で感染した人々と同程度のウイルスを拡散させていることだ。

SPONSORED