ALS(筋萎縮性側索硬化症)を検索すると「感覚があるままに体が動かなくなる病気」という説明が多いです、もう少し詳しい書き方を探すと「筋肉が動かなくなってしまう」という説明がなされています。そして「現在、効果の認定されている治療法が無い」と言われている事で知られています。前回は訪問介護を本格的に始めるにあたって、あらためて妻が大変だったと分かるという話でした。今回は現状の生活やこれまでの色々と工夫してきた事も話したいと思います。

2019年3月に転んだことから「なにかおかしい」と感じ、検査入院の末、9月にALSを告知された声優の津久井教生さん。それから2年近く経った今は、手足がほぼ動かなくなり、要介護4の認定を受けました。原稿も割りばしを口に咥えて一文字ずつ打ち込んで執筆しています。それでも声に異常はなく、現在も車椅子に乗ってニャンちゅうなどの声の収録にも赴く日々。

そんな津久井さん、罹患当初は「家族一緒に頑張る」と、妻中心の介護になっていました。前回の連載では「できなくなることが増える」病気で「一緒に頑張る」というのは、ただ家族の負担が増えることになってしまうと気づき、24時間介護ヘルパーの方にお世話になる体制を作る決意をしたことを伝えてくれました。連載「ALSと生きる」34回目となる今回は、より具体的に「介護してもらう」のか、介護をしてもらうためにどのように脳に働きかけているのかを教えてもらいます。
2020年の「ニャンちゅう」チームの皆さん。左から比嘉久美子さん、津久井さん、鎮西寿々歌さん 写真提供/津久井教生
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訪問介護の入り口を報告して

もっと早く介護の方に入ってもらえば良かったということをお伝えした前回の話にも、たくさんの反響をいただきました。24時間介護を目指しての歩みは始まったばかりですが、Mケアマネジャーさんたちの数ヵ月前からの立ち回りのおかげで順調に進んでいると思います。重度訪問介護のヘルパーさんにも1日14時間以上入っていただくようになって、特に夜は朝までの介護体制ができつつあります。

私たちの生活に慣れていってもらって、私の介護の主流である「移乗」を覚えてもらうのがメインです。ベッドから車椅子、もしくは普通の椅子に座らせてもらうということです。体幹と腹圧を維持していきたいので、椅子に座った状態を作ってもらって1日10時間くらい座った状態で過ごすことを心がけています。自力で座位を持することは難しくなりましたが、この日常をリハビリにして「声」が維持できればと思います。

注文の多い利用者で、介護士さんやヘルパーの方も大変だと思います。でも私たちの方も家族以外の人がいる生活に慣れて日常になっていければと思うのです。