アンチ権威で体制に批判的なフランス人

「246種類ものチーズがある国を、治められるはずがない」というフランスの英雄、シャルル・ドゴール将軍の名言があります。現在はチーズの種類も300を超えているそうですが、彼はまたこうもいってます。「人間を知れば知るほど、私は犬が好きになる」と。それほどフランスという国を統治するのは難しく、国民を納得させるのは至難です。それを思うと、マクロン大統領の表情があそこまで晴れ晴れとしていたのが不思議でなりませんでした。

コロナ初期のころにマクロン大統領が、「コロナは戦争だ」といいました。都市封鎖と外出禁止令が出され、近所のスーパーに行くにも身分証明書の提示を求められる有様でした。ところが憤懣やるかたない一般市民が禁を犯し、片田舎で数千人規模のコンサートを開催したニュースを観て、さもありなんと納得。規則は無視するためにあると公言してはばからない人たちを、統率するのは無理ですもの。フランス人のDNAには、すべての権威を否定し、体制に批判的であってこそ真の大人だという、現在のわれわれ日本人にはないプライドがあるから厄介です。

マクロン大統領がワクチン義務化について述べると、「ワクチン接種は必要でも自由がなければならない」という意見が噴出。フランス各地でデモも行われた Photo by Getty Images
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幼稚園はいうに及ばず、フランスでは小学校の初日に入学式や朝礼はなく、子供たちは「前にならえ」の号令を知らずに育ちます。だれかと同じポーズを取ろうものなら、「真似しないでくれ!」か、もしくは「バカにするな!」と軽蔑されることでしょう。

背が低い子から順に並んだり、教室でアルファベット順に名前を呼ばれることもありません。
教室に入っていらした先生が、「今日、お休みの子、だれかいるかしら?」と教壇から聞くと、お節介で、ちょっとお茶目な子供が教室に来ていない子供の名前を知らせます。徴兵制がなくなって以来、志願して入隊した経験がある人でなければ、行進さえできない人たちなんです。そんな御しがたいフランス人のモチベーションを、3年後に焦点を当ててどう盛り上げていくというのでしょうか?