8月8日の東京五輪閉会式。2024Parisの引継ぎ映像を見て、感動した人は少なくなかったのではないか。
かつて20年パリに暮らしていたエッセイストで、『お金がなくても平気なフランス人 お金があっても不安な日本人』の著者・吉村葉子さんもそのひとりだった。

フランスといえば新型コロナの感染者数は世界でもアメリカ、インド、ブラジル、ロシアに続いて630万人を超え、パリを中心とした都市部では完全なロックダウンも長期にわたったという(NHK新型コロナウイルス特設サイトより)。また、JETROの発表によれば、失業率もEUの中でもギリシャと並び多く、2021年5月は失業者数が53万人超、若年層の失業率は4月よりやや回復したとはいえ19.2%を記録した。

つまり、コロナでボロボロ状態のはずだ。
状況は日本よりひどいかもしれないのに、あの見事な映像は一体何ごとなのか。吉村葉子さんに解説してもらった。

ワクチン接種も進んでいるとはいえ、これだけの大観衆…思わず「いいなあ」と思った人は多いのでは…Photo by Getty Images
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エッフェル塔の下から「パリ2024にようこそ」

Tokyoオリンピックの閉会式が、2024Parisの開会式になった !!!!!

2024Parisにバトンタッチされたとたん、東京オリンピック閉会式のがっかり感が瞬間に吹っ飛びましたよね。五輪旗が小池都知事からバッハ会長に返され、次期開催地パリ市長のアンヌ・イダルゴ女史に手渡されたときから様子が一転。

Photo by Getty Images

テレビの前にいた人々の視聴覚が、画面に映し出されたパリの光景に息を飲んだことでしょう。エッフェル塔の下に赤・白・青のフランス国旗がはためき、コロナ禍を忘れたかのように集う大勢のパリっ子たちの姿に、釘付けになりました。

狂喜する群衆の真ん中にいたマクロン大統領がスポーツ少年少女に囲まれて、「より速く、より強く、みんな一緒に」と意気揚々。次期パリ・オリンピック・パラリンピックをフランス史上最大のイベントに盛り上げてみせるという抱負と呼応するかのように、フランス航空・宇宙軍のアクロバット・パトロール隊が上空を派手に旋回。パリ市の地図のほぼ真ん中に位置するエッフェル塔のすぐそばのセーヌ川が、2024Parisの開会式会場に決まりました。

若きアスリートたちに囲まれてパリ五輪について熱弁するマクロン大統領の姿が画面に登場 Photo by Getty Images
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