いま消費税を「5%減税」しても、家計の不安は「解消されない」と言える理由

その分の「13兆円」を有効活用すべき
井手 英策 プロフィール

13兆円をサービス給付に回すと…

以上をもとに、僕なら、こういう組み合わせにする。

まず、消費減税をやめ、13兆円を給付に使う。大学の授業料、介護・障がい者福祉を無料にし、現役世代の医療費の自己負担を現在の30%から15%に減らす。

くわえて、低所得層向けの住宅手当を創設し、月額2万円を全体の2割、1200万世帯に給付する。リーマン危機時に350万人に達した失業者数を念頭に、失業者にも月額5万円を給付しよう。これらすべてで13兆円だ。

現金は低所得層に集中させ、すべての層にサービス給付を徹底する。生活コストを大胆に軽減しながら貯蓄よりも消費をうながす。富裕層にまで多額の現金を返し、経済効果もそれほど期待できない政策とどちらが魅力的だろうか。どちらが低所得層に優しい政治だろうか。

 

枝野代表は、消費減税を公約とするかどうか、ずいぶん悩んだようだ。支持団体である「連合」の反発もあったろうが、おそらくはご本人もそれを望ましい政策だと思っていなかったのだと思う。

じゃあ、なぜ消費減税なのか。それは「共闘相手」がそれを求めているからだ。ちょっと待て。あるべき社会のためではなく、候補者調整のために効果的とは思えない政策を選ぶ様を見せつけられる支持者の気持ちはどうなるのか。我が身かわいさに支持者を犠牲者にする政党に未来はない。何のために、誰のために政治をやるのか。いまこそ原点に帰るべきときだ。

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