2021.08.20

コロナで縁日が「消滅」…その余波で「テキヤ」に起きている苦しい事態

兼業はしているものの…
廣末 登 プロフィール

世話人の采配は、その一家の評判を左右するから真剣である。とりわけ売り上げに関わる「場所割り=テイタ割り」は、世話人の技量と交渉力が試される。

よくあるモメごとのひとつに、割り当てのネタ以外で商売をする出店者への苦情である。世話人であるニワ場の親分は、旅人さんのホストであるから、出店者同士でモメた時は、仲裁しないといけない。

唐揚げのネタでフライヤーがあるからといって、フレンチドッグやフライドポテトを商うと、向こう三軒両隣の出店者からのクレームは必至である。テキヤが外国人の出店を許可しないのは、こうしたシキタリが理解できないからだとされる。

画像はイメージです[Photo by iStock]
 

これら様々な難題を解決し、旅人さんの扱いが上手いと、「どこそこの親分は面倒見が良い」として名を上げるし、芳しくなければ不名誉な評価を免れないのである。

昨年は、新型コロナウイルスの影響により、三寸は倉庫に積み上げられて出番がなかった。縁日の場を奪われた子どもたちの落胆は察するに余りある。しかし、もっと切実なのはテキヤ稼業の人たちである。「一体全体、どうやって生活しているのか」と、読者の皆様も心配してくれているのではなかろうか。

もともとテキヤは兼業している

もともと、テキヤは大きく儲かる業態ではない。創意工夫を凝らしたところで、三寸(売台)ひとつあたり売れたとしても日に売り上げは15万円程度。それも祭りの期間に限られる。場所代など、出ていくカネもバカにならない。祭りの時に出店するテキヤ稼業だけでは食っていけそうにない。

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