なにがなんでもしがみつく… Photo/iStock

日本企業で「出世する人」たちが「保身クズ野郎」ばかりになってきた“意外なワケ”

人事権を握る経営トップ層の顔色をうかがって、組織の暴走が止まらなくなる――。いまそんな不祥事があちらこちらの日本企業が噴出するようになってきた。

象徴的だったのは、積水ハウスの地面師詐欺事件だろう。現場の中にはその契約の危険を察知して止めようと行動した幹部もいたが、取引が止まることなく約56億円という巨額の被害を出す前代未聞の事件に発展した。

ほかにも、東芝のガバナンス無視の株主総会や関西電力の金銭受領問題はもちろんのこと、政官界間に目を広げてもトップ層主導による不祥事が後を絶たない。日本の優秀なサラリーマンたちは、上層部から理解の及ばない仕事をさせられて、ただただ組織に埋没するだけでしかいられないのか。そこに処方箋はないのか――。『保身 積水ハウス、クーデターの深層』の著者が、ベストセラー『2040の未来予測』の著者で、元マイクロソフト社長の成毛眞氏に聞いた。

日本企業は「保身オヤジ」ばかり

――いまの日本の未来に期待感がもてません。なぜなのでしょう。

すべてのセクターで老朽化していますよね。政府や大企業だけでなく、自治体でもそう。しかも日本はベンチャー界隈もだんだんとおかしくなっています。本気でやっているのかどうかという不安を感じちゃう。日本では一度既得権をとってしまうと、それに甘んじてしまう人が多いということでしょうか。

政官民ががっちりと既得権を押さえていて、そこから先は何も発展しない。アメリカでは、優秀なベンチャーが雨後の筍のごとく現れて激しい競争の上に生き残った1~2社が巨大企業となり、伝統的な企業を凌駕する。政治でも共和党と民主党の政権交代がおこり、ドラスティックな利権の付け替えが起こります。そんなアメリカと比べたら、日本は何も起こらない。

成毛眞氏(2018年撮影)
 

ただし、ベンチャーに限れば、じつは欧州と比べたら日本はけっこうたくさん生まれている国なのです。

日本ではソフトバンクやファーストリテイリングが生まれたし、戦後までさかのぼればホンダやソニーが誕生した。1950年以降に京セラ、キーエンス、ファナック、任天堂などたくさんのスタートアップ企業が育ちました。

これほどスタートアップが生まれた国は実は、アメリカと日本くらいしかないのです。

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