本が売れない出版不況といわれる中、13万部を突破しベストセラーになっている本があります。それは韓国で人気の作家で詩人、ハ・テワンによるエッセイ『すべての瞬間が君だった』。しかも、読者の多くは、普段あまり紙の本を読まない、女子高生だというのです。

韓国のエッセイがなぜ日本の女子高生たちの心に刺さっているのか、ヒットの秘密を取材しました。

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ベストセラーがインスタから生まれる時代

なぜ日本の女子高生たちに、韓国エッセイが人気なのか。まず向かったのは、東京・神保町にある韓国書籍専門のブックカフェ「CHEKCCORI(チェッコリ)」。同書店の広報である佐々木静代さんによると、ヒットの秘密は「売り場」を見るとわかるといいます。

佐々木静代さん(写真:筆者撮影)

案内された韓国エッセイ売り場を見ると、どの本も表紙がカラフルで、かわいいイラストが描かれています。さらにタイトルも、『すべての瞬間が君だった』『怠けてるのではなく充電中です』『あやうく一生懸命生きるところだった』など、長いけれども、心が疲れている時に前向きになれるような言葉が並びます。

CHEKCCORIの韓国エッセイ売り場。カラフルでかわいい表紙ばかり(写真:筆者撮影)

このような本はInstagram(以下、インスタ)と非常に相性がいいといいます。

写真やイラストがかわいいのでインスタ映えするし、今の自分の気持ちを代弁してくれるからです。実際にお店でも若い女性からインスタの画面を見せられて、『この本ありますか?』と聞かれることも多いです」(佐々木さん)

さらにSNSを検索してみると、女子高生を中心に、若い女性たちの間で“本の在り方”が変化していることがわかりました。