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ゲーム事業参入が話題のNetflixが真に競い合うライバルの正体

カギを握るコンテンツのストック化とは

Netflix「ゲーム事業参入」の衝撃

日本でも月額料金制・見放題型(いわゆる「サブスクリプション」)の映像配信サービスが定着し始めている。

国内での競争も激化しているが、海外では、映像配信を軸にしたNetflixやAmazon、アップルのようなIT企業と、自らが配信事業をもおこなうようになった映画会社が、「映像というコンテンツを生み出す企業」同士として、同じ領域で戦う時代になった。

そんななか、Netflixは7月下旬にゲーム事業への参入を発表した。有料会員数が2億918万人(6月末現在)と、世界最大の映像配信事業者である同社が新しい領域に挑戦するということで、大きな話題になった。

だがこれは、「映画会社の次は、ゲーム会社と競合する」と考えるべき話ではない。ドラマや映画といった映像コンテンツを取り扱うビジネスが、ネットワーク上で展開されることでどのように変化したのか、ということに付随する話であり、まさに「新興企業と映画会社による競合」の本質そのものに関わっている。

どういうことか。今回は、その点を解説してみたい。

【写真】Netflixゲーム事業に参入ゲーム事業に参入したNetflix photo by gettyimages

「配信」勢が席巻したアカデミー賞

冒頭で述べたように、現在の映像ビジネスは「配信向けコンテンツ」を軸に回っている。

「配信」と聞くと、オリジナルドラマやアニメ、リアリティショーを思い浮かべる人も多いが、現在は視聴時間が2時間程度の「映画」やドキュメンタリーも増え、あらゆるジャンルに広がっている状況だ。

たとえば、今年4月末に発表された第93回アカデミー賞では、作品賞にノミネートされた8作品のうち、半分の4作品が、劇場よりも「配信」を優先してつくられた作品だった。「映画の賞」というイメージが強いアカデミー賞ですら、配信向け作品の影響が圧倒的に強くなっていることを如実に示すものだ。

2020年12月からNetflixで配信された「Mank/マンク」も作品賞にノミネートされた

このあたりの事情は、まだまだ地上波テレビ放送が強い日本とは大きく状況が異なっている。

その背景としては、2020年、2021年がコロナ禍となり、例年どおりの劇場公開が難しかったことも大きく影響している。しかしそれは、「配信のためにつくられた映画作品が増え、評価も高まっている」ことを否定するものではない。

Netflixの場合、2021年度にコンテンツ制作に投じた費用はトータルで170億ドル程度(約1.8兆円)とされており、なかでも視聴時間が「映画の長さ」に相当するコンテンツに注力した結果が、アカデミー賞などの「賞レース」にも現れた、といっていい。

そんなに巨額の資金をなぜ、投じることができるのか?

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