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103万、130万…夫婦でトクするために知りたい扶養の範囲「○○万円の壁」全種類

専業主婦か、共働きか……この二択で迷うのは、もはやひと昔前の話。新刊『得する会社員 損する会社員』を上梓した、ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子氏は、すでに専業主婦は「ファンタジー」だと述べる。将来、お金に困らないために知っておきたいシビアな現実と、いわゆる「○○万円の壁」のしくみについて解説してもらった。

「専業主婦推し」をやめた日本

1954年から1973年の高度経済成長の下、国としては企業に伸びてもらう必要がありました。会社員には「企業戦士」としてひたすら長い時間働いてもらうことになるので、家事や育児などやっていられません。そのため、夫がサラリーマン、妻が専業主婦という構図になるわけです。

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企業でも、配偶者扶養手当など専業主婦を量産させる制度が登場し、1961年には、「○○万円の壁」でおなじみの配偶者控除も開始されました。

専業主婦の国民年金保険料も1961年から1986年まで任意で支払えば良く、以降は「第3号被保険者」制度の誕生で支払いゼロとなりました。

好条件が並べられたことで1970年代中盤には専業主婦率が最大となりました。それで家族は充分に食べていくことができ、満足な退職金と年金で生涯過ごすことができたのです。

現在、生き方は多様化しており、「サラリーマン&専業主婦」でない共働き夫婦、婚姻関係のないパートナーや同性パートナーとのカップル、そして独身者から、専業主婦(扶養の範囲内)優遇の制度への不公平感を指摘する声が上がっています。

そして、かつてに比べ、会社と国に頼っていられない状況になっていることは誰もが感じています。

専業主婦推しだった国も、年金や健康保険の専業主婦優遇を見直し、女性の社会進出を推奨しています。この分だと、専業主婦のうまみはどんどん減っていくでしょう。

 

また、働き方改革やコロナ問題によるテレワーク化やフリーランス化により、会社に人生を捧げる人が減少します。残業代が減ったり無くなったりという話にも繋がりますし、働き方や契約を変更して退職金が無くなる人もいるでしょう。一般的な会社員の夫の収入・財力が落ちてくるのは避けられません。

そんな中、増税、年金減少、物価上昇などを考えると、「サラリーマン&専業主婦」の設定を維持したまま生涯逃げ切れるのは、かなりの高収入会社員か親の遺産やその他の収入や貯蓄を持ち合わせている一部の人たちだけです。

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