2021.08.28
# マンガ

韓国発の「縦読みマンガ」は本当に世界基準か?比べてわかった「日本マンガ」の優位性

吉田 仁平 プロフィール

日本のマンガとどう違うのか?

一方で、見開き単位でみせる日本のマンガのほうがコマ割りに工夫の余地があり、より表現の幅が広いとも感じています。複数の編集者からも「歴史が浅い分、ウェブトゥーンの縦スクロールならではの間の取り方や表現は、まだ見開き単位でみせるマンガの深みにまで達していない」という声が聞こえてきています。

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作品のジャンルが多彩なのも特徴です。現在、弊社の海外事業推進室に籍を置くオーストリア出身のマクシミリアン・メンスドルフ(以下、マックス)は、欧米のポップカルチャーに比べて、日本のマンガ業界は新しい作品を生み出すリスクを負うことを厭わないように感じると語り、次のように続けてくれました。

「日本ではほぼ無名の作家が描いたオリジナル作品が突如大ヒットに繋がった例が沢山ありますが、欧米の作品は過去の有名なIP(知的財産)をベースにしたものが多いので、そうはいきません。これは作り手が、消費者は知っていることにしか興味がないものと捉えていることの証左。いわば信頼感の欠如を示していると思います。

最近では、欧米のこのような傾向を指して、stuck culture(動かない文化)という言葉がネット上で広まっています。しかし、日本のアニメやマンガが世界的に大成功していることから、今まで見たことがない新しいコンテンツを求める声が高まっていることは確かです。

いまが、日本のマンガが世界のエンターテインメントの中で存在感を強めていくチャンスだと思います」

 

マックスがこう語るように、今年4月30日には、劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』が北米で公開され、週間興行収入で全米1位を記録しました。国内においても、鬼滅1作でコミックの市場規模がピュッと伸びたほど。改めて日本マンガのヒット作は、世界的な社会現象を起こし得るコンテンツなんだと思う出来事でした。

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