2021.08.15

「素顔は優しい?」“最強”ティラノサウルス、最新研究で見えてきた“ちょっと意外な”子育て説

植田 和貴 プロフィール

“透視”が行われたのは2020年1月。

この時点では、まだ番組化の目途は立っていなかったが、現場に立ち合い、河部さんがティラノの顎を調べる様子を、私自身のカメラで記録させていただいた。

ティラノサウルスの顎の内部をCTスキャンで調べるのは前例のない調査。当初、河部さんは緊張気味だったが、次第に顎の内部が見えてくると、「これはいいデータが取れる!」と、みるみる笑顔に変わっていった。データから一体何が見えたのか?

 

謎だった繁殖術が見えてきた!

今回、河部さんが行ったティラノサウルスの顎の研究から浮かび上がってきたのは「ティラノサウルスの繁殖術」だ。意外に思えるかもしれないが、実はこれまでティラノサウルスの繁殖術は謎に包まれていた。

恐竜界で最も有名な恐竜ティラノサウルス(ティラノサウルス・レックス)は恐竜時代の終わり、白亜紀末期から6600万年前の大絶滅まで北米で生きていた肉食恐竜だ。全長12メートル。体重7トン。肉食恐竜の中でも特に大きな頭を持ち、その口にバナナほどもある太い牙が何本も生えていた。この牙を武器にトリケラトプスやアンキロサウルスに襲いかかっていたのだ。

しかし、繁殖術については化石記録が乏しく、どうやって卵を産み、どう子育てをしていたのか(もしくは子育てをしなかったのか)、全く分かっていなかったのだ。

ところが今回、河部さんがティラノサウルスの顎をCTスキャンで詳しく調べてみると、顎に無数の神経が走っていたことが明らかになった。敏感で繊細な顎で子どもをくわえて運んだり、子どもに顎で触れてコミュニケーションをとったりしていた可能性があるという。

CTスキャンで見えたティラノサウルス、トリケラトプスの下顎の内部。 神経の量が全く違う!(画像提供:河部壮一郎博士)
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8月22日(日)に放送する番組のクライマックスではようやく見えてきた「ティラノサルスの子育ての様子」を最新のCG技術を駆使して、たっぷり再現している。はたして河部さんが今回の研究で浮かび上がらせた顎の特徴が、子育ての時にどう関係してくるのか。最新研究から浮かび上がったティラノサウルスの優しい素顔に、ご期待頂きたい。

ティラノの口の中に赤ちゃんが!食べられてしまうのか?それとも?/NHK提供
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ついに見えた!ティラノサウルスの優しい素顔/NHK提供
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