2021.08.12
# 政治政策

東京都では「自宅療養者のフォロー」も崩壊…そのウラで際立つ「墨田区の凄まじい戦略」

山岡 淳一郎

自宅に「放置」される人たち

増え続ける自宅療養者に対し、小池百合子都知事は支援を口にする。

確かに都は「自宅療養者フォローアップセンター(FUC)」を設けている。「65歳未満で、基礎疾患がなく、重症化のリスクが低い」など一定の条件を満たした自宅療養者に、(1)LINEまたは電話による毎日の健康観察、(2)自宅療養中に必要な食料品の配送、(3)(酸素飽和度を計る) パルスオキシメーターの配布などの支援を行うと掲げている。

しかし、前述の保健所職員は、その実態をこう述べる。

「FUCは対象の自宅療養者が2000人を超えて、ほぼパンクしました。連絡がとれない、パルスオキシメーターも食べ物もこない。それでとうとう7月27日以降、都は支援する自宅療養者を30歳未満に絞っちゃった。30代~50代の面倒はみません。年齢が上がるほど重症化のリスクが高くなるからでしょう。同居者がいる人も対象外。それが実態ですよ」

IOC会長・バッハ氏と並ぶ小池氏〔PHOTO〕Gettyimages
 

第五波の感染対策のポイントは、ワクチン接種が進んでいない40代、50代の重症化をどう防ぐかだ。小池知事は、働き盛り世代へのワクチン接種をさかんに呼びかけるが、国のワクチン配分のミスもあり、自治体の接種は低調だ。

産経新聞の23区への聞き取り調査(8月7日配信)によれば、年代別接種率を公表した18区のうち14区が、50代の初回接種率が5割に届かない。日本最大の繁華街、歌舞伎町が立地する新宿区は、40~50代通して24・4%。特別区で最多の人口約94万人を抱える世田谷区は、60歳以上は81・5%だが、50代26%、40代は16%にとどまる。

もはや、自分の命は自分で守るしかないのか。

ところが、である。都も区も総崩れのような状況で、異彩を放つ自治体がある。墨田区だ。

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