この親にしてこの子あり!気鋭の野党議員を育てた父のぶっ飛び教育法

高松の"へんこつ親父"に聞く (1)

香川一の"へんこつ"登場! 小川淳也の父、政治と家族を語る

清貧代議士・小川淳也議員(立憲民主党)の考える政策の全貌と人物像に迫った現代新書の新刊『本当に君は総理大臣になれないのか』(通称・ほん君)。その出版を記念し、本書の共著者でもあるノンフィクション作家の中原一歩氏が、小川議員の父親であり、高松市内で美容室を経営している小川雅弘氏にインタビューを敢行。小川議員の人格形成に最も大きな影響を与え、その成長を見守ってきた雅弘氏は、息子について、そして今の政治について、何を思うのか。今回は前半の様子をレポートします。

関連記事(出版記念イベント第1弾)

麻生太郎に正論を突きつけ…つまらなくて面白い“注目野党議員”の正体

100日後に"ワニ大臣"を倒せるか!?大注目の香川1区の行方 

家庭より仕事を優先せざるを得なかった

中原 淳也さんはよく「僕はパーマ屋のせがれ」と言いますけど、実際、お父さんは高松市で美容室を経営しています。なぜ美容室を始められたのですか?

 父 単純に成り行きやね(笑)。

大学を卒業して東京の会社に就職が決まってたんやけど、学生結婚した女房が「東京へは付いていかん」って言うんで、地元に残ることになって。

女房は美容院の娘やから(実家で働いて)、私もこっちで小さい会社にでも勤めようかと、繊維問屋に就職したんやけど、半年も経たないうちに社長とケンカになってやめてしまった。

プラプラするわけにはいかないから、化粧品屋を始めたんです。それから2年くらい経ったくらいかな、資生堂からオファーを受けて、店の2階に資生堂の系列の美容室をはじめました。だから何にも考えずに、行き当たりばったりですね。

中原 ちなみに今は何店舗あるんですか?

 父 2店舗ですね。ここ(取材場所)ともう一つね。最盛期には5店舗あったのかな。でも42歳(1990年)を過ぎた頃からは撤退に次ぐ撤退やったね。

中原 お父さんが商売を始められた頃は、ちょうど高度経済成長のとば口で、それからバブルが崩壊するまで、昨日より今日、今日より明日っていう、明るい展望が見えた時代ですよね。

 父 そうやね。金銭的に苦労していても、明日の方が絶対ええやろっていう感じはずっとあった。僕らの年代は戦争が終わった後に生まれて、高度経済成長に恵まれた。これから先の人は本当に大変やと思う。

中原 淳也さんは「自分は鍵っ子だった」とも言ってます。「両親がとにかく毎日働いていて、自分はその働く姿をずっと見てきたんだ」と。

 父 やっぱり店の従業員の方とか、お客さんに対する責任があるからね。年末なんかは夜中の1時2時まで仕事をして、正月も元日からずっと毎日、着付けとかあってね。活気はあったけど、それはもう大変な時代でした。

だからどうしても家庭より、仕事優先やったね。女房は未だに「(子どもたちには)ホンマにかわいそうなことした。でも仕方なかった」って言ってます。

 

銀行から貸し渋りを食らい、苦労した40〜50代

中原 今のお話を聞いていると美容室の労働の大変さがよく伝わってきます。辞めていく人もたくさんいる中で、お父さんは経営者として、従業員の皆さんの働き方をどう良くしようとされていたんですか?

 父 女房の実家の美容室では夜中の11時ぐらいまで仕事をしていたけど、僕は、それは間違っていると思っていた。だから経営を始めてから、夕方の5時半〜6時半には店を閉めて、休業日も月に1回は入れるようにした。

給料も、当時は大卒初任給が3万円ぐらいで、美容室で働く女の子は2万円ぐらいの時代だったけど、「4万円出します」と言って募集しました。

対談の様子。左から中原一歩氏、小川雅弘氏

中原 別に開業当初からお父さんに資金があったわけではなく、最初は借金に次ぐ借金だったわけですよね。

 父 そうそう。もうずっとそうですよ。

中原 銀行にも頭を下げて。

 父 これがまたねえ、私は好きなことを言う方でしょ? だから「お上手」を言うのが本当に苦手で。担当の外回りの銀行員にも「なんで支店長にもっとうまいこと言うてくれんの? そしたらもっと楽に金も出るのに」って、しょっちゅう言われよった。

それで42歳だった時に急に蛇口を閉められてね、銀行から「これ以上は貸せません」と言われた。貸し渋りされるどころか、むしろ回収を始めたからね。それから10年ぐらいは本っ当に大変やったね。

ちょうどその時に淳也の大学入学と家の引っ越し、それから新店舗の出店の3つが重なったから、借金も膨れ上がるし。

僕は性格的にお願いをしてまで人にどうこうしてもらうのができない性格で...。

むしろ極端に言ったら支店長室で喧嘩する方やからね(笑)

ほんまに女房にはものすごく苦労させました。

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/