「皇室ゆかりの品」、なぜ今貸し出し続々? 菅首相ブレーンが語る「本当の狙い」

貸し出し進む「皇室ゆかりの品」

皇室に代々伝えられてきた名品が、現在、九州国立博物館と京都国立博物館で公開、人気を集めている。

「皇室の名宝」と題した九州国立博物館の特別展(7月20日~8月29日)には、7月16日、文化庁文化審議会が国宝に指定することを答申したばかりの「蒙古襲来絵詞」や伊藤若冲の「動植綵絵」などが出品、京都国立博物館の「京の国宝」と題した特別展(7月24日~9月12日)には、高階隆兼の「春日権現験記絵」などが展示されている。

いずれも、宮内庁三の丸尚蔵館の収蔵品だ。同館は、江戸時代に譜代大名などが登城する際に用いる江戸城正門の「大手門」をくぐった皇居東御苑にある。上皇ご夫妻が「日本の文化遺産を国民に公開できるように」と寄贈。それを保存、研究、公開することを目的として、1993年に開館した。

その後、高松宮家、三笠宮家などからの寄贈もあり、約9800点を収蔵するが、手狭になったこともあり、収蔵室を充実、展示スペースを約5倍に広げる大規模な新館建設工事を進めている。完成は25年の予定だ。

新館建設工事の様子/筆者撮影
 

収蔵品は、歴代天皇や宮家のコレクションに天皇家の慶事などでの献上品が加わった逸品ぞろいで、そのうち2500点近くが国宝や重要文化財クラスの作品だが、これまでは文化財の「指定外」だった。

「尚蔵館収蔵品は宮内庁の預りで、国宝などを指定する文化庁とは別でした。しかし、皇室の『宝』を観光資源に使おうという政府の方針のもと、各地の博物館、美術館に積極的に貸し出されることになりました。そうなると、見物客に分りやすく価値を説明するために、『国宝』や『重要文化財』といった“仕分け”が必要になってくる。今後、そうした指定が多くなります」(文化庁幹部)

皇室の観光利用の一環である。

宮内庁関係者には、「皇室を観光資源化する政府のやり方はいかがなものか。もっと丁寧に、敬意を払って扱うべきでは」という不満を持つ人や、「皇室の宝」が、文化庁に「ランク付け」されることに「格下げ感」を持つ人もいるという。

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