2021.08.17

「何もしない上司」が実は優秀だった…?ドラッカーが説くマネジメントの「鉄則」

IT時代のホワイトカラーの生きる道

問題が起こらなければ暇?

一日中窓の外を眺めて、お尻に根が生えたように椅子に座っていたら、「何もすることが無い」窓際族だと思われるだろう。確かに、仕事(労働)の報酬というのは何かを行った対価としてもらうのが普通だ。

そして、その仕事(労働)というのは、外から見てわかりやすいものが一般的であった。工場のラインで組み立てをしたり、事務所のデスクで電卓をたたいたりパソコンを操作したりなどである。

しかし、そのような「作業」が本当に企業にとって必要な「価値」を生み出しているのかどうかは少々疑問である。

工場のラインの場合は、時間当たりの生産性や担当者の作業量などをデータ化するのが一般的だ。しかし、ホワイトカラーの場合、時間当たりの生産性という概念はまだあまり普及しておらず、電卓やパソコンでどのような「結果」を生み出したのかが不明確な場合が多い。

ピーター・ドラッカー by Gettyimages

ここまでは、マネジメントの神様ドラッカーが唱える「知識社会」以前の、テイラーの科学的管理法の世界だ。ドラッカーは、この科学的管理法のおかげで、工業の生産性は50倍以上に増えたと述べている。

同じように、「工場制手工業レベル」にあるとさえ思える事務作業の「工業化」が、インターネット・ITの進化によって急速に進みつつある。

事務作業が効率化されると、「自分たちの仕事が無くなってしまうのでは?」と心配する向きもあるのではないかと思う。しかし、工業化の歴史を振りかえれば、現場でねじ回しをするような単純な仕事は減ったが、機械のメンテナンスや工程管理、さらには出来上がった商品の販売戦略を立案する仕事などが飛躍的に増え、全体としての給与水準も上昇した。

「事務作業の工業化」においても同じことが起こるのではないかと思う。

それでは、科学的管理法の次の時代の「知識社会」ではどのようなことが起こるのか?ドラッカーは、マネジメントの神様と呼ばれるが、まさに「マネジメント」が生産性向上のカギになっていくはずだ。

 

科学的管理法による合理化は、工業分野において相当に進んだ。ホワイトカラーの世界でもこれから急速に進んでいくであろう。そして、そのあとにやってくるのが「マネジメント」の質の改善による生産性向上だ。

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