不審な領収書が…
シンゴさんを悩ませたのは、「おカネをおろせない問題」だけではありませんでした。
通帳を見ると、父親は月18万円ほどの年金をもらっていることがわかりましたが、1年ほどの間に1000万円近くがおろされており、倒れる直前の残額は300万円少々でした。
さらに、シンゴさんが実家の”家探し”をした際、不審な領収書が複数枚出てきました。

そこには「耐震工事」だの、「シロアリ駆除」だのと書かれています。
あまりに金額が大きいので、領収書に記されている電話番号に電話してみましたが、つながりませんでした。
それだけではありません。台所には、手つかずの段ボールが12箱。なんと、健康飲料らしきものが入っていました。どうやら、ほんとうは必要ではない商品やサービスを購入してしまっているようだということがわかってきました。
「近所の親戚に聞くと、いつからか父親の行動が変で認知症を疑っていたそうです。知らせてくれればいいのに、と思いましたが、連絡を取っていなかった僕が悪いのですよね」とシンゴさんはため息まじりに話します。