コロナ対策“大壊滅”の根本原因…日本人の「科学無視」「楽観主義」という根深い病

新型コロナウイルスの感染が深刻な状況となっている。政府には「危機意識が足りない」といった批判が殺到しているが、これは現政権に限ったことではない。危機感が乏しく常に楽観論に終始するのは、過去の政権も企業のリーダーも同じであり、日本社会では以前から杜撰な意思決定がまかり通ってきた。

危機意識あるいは危機管理というのは、リーダーの資質に関するテーマと捉えられがちだが、筆者はもっと深刻な問題と考えている。近代国家あるいは近代組織における危機意識や危機管理というのは、自然科学と不可分であり、客観的なデータの収集とその分析があって初めて成立する。日本社会における危機意識の欠如は、とりもなおさず、自然科学をないがしろにしてきた日本社会の前近代性と密接に関係している。

 

すべての失敗に共通するある現象とは

東京都における新型コロナウイルスの新規感染者が5000人を超えるなど、感染爆発が懸念される事態となっている。新規感染者数の増加が顕著になった7月後半あたりから、多くの専門家が感染爆発リスクを指摘してきたが、政府や東京都は楽観論に終始していた。

〔PHOTO〕Gettyimages

新規感染者数が前週比で倍増した7月27日、田村憲久厚生労働大臣は「オリンピックのアスリートも制約の中で試合に出て頑張っている。思いを一つにして感染をなんとか抑え、命を守ることに協力いただきたい」と述べたものの、感染爆発に対する具体的な言及はほとんどなかった。東京都の幹部も医療体制について「(前回の)ピークの時とは本質的に異なっているので、(中略)すぐに第3波のような状況になるとは認識していない」と発言している。

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