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スズキも頭を抱える…軽自動車の電動化に立ちはだかる「コストと重税」の避けられない課題

今年6月、ズズキ中興の祖である鈴木修会長が勇退した。徹底した現場主義で知られ、「ジムニー」「アルト」「ワゴンR」を世に送り出し、スズキだけでなく軽自動車市場を何度も救ってきた鈴木氏。だがいま世界では、EV化の波が押し寄せている。軽自動車業界を文字どおり牽引してきたスズキは、この潮目の変化をどう見るのか。

前編はこちら:「アルト」「ワゴンR」の生みの親・鈴木修が去ったスズキが直面する「電動化」の壁

大量に売るのは難しい価格になる

鈴木修会長の勇退は、時代の流れを反映したものだった。勇退に際して「軽自動車は芸術品」「一にも二にも電動化」と述べている。軽自動車は日本のユーザーにとって、芸術のような優れた商品で、それを守るには電動化に取り組まねばならない。鈴木修会長は、その使命を次の世代に託した。

ちなみに日産と三菱は、2021年8月27日に、軽自動車サイズの電気自動車を2022年度の初頭(2022年4~5月頃)に発売すると公表した。日産仕様と三菱仕様の基本設計は共通だが、全高は日産仕様が1655mm、三菱仕様は1670mmと異なる。

日産が2019年モーターショーで発表した軽EVコンセプトカー「imk」/photo by gettyimages
 

現在販売される日産デイズや三菱eKクロスに比べると、少し背が高い。駆動用電池の総電力量は20kWhとされ、価格は補助金額などを含めると(差し引くと)、実質200万円から購入できるようにするという。

そこで同じ価格帯の軽自動車を見ると、全高が1700mmを超える日産ルークスハイウェイスターGターボプロパイロットエディション4WDは206万6900円だ。ルークスの姉妹車になる三菱eKクロススペースT・4WDは199万1000円になる。

つまり軽自動車規格に収まる電気自動車の価格は、最も安いグレードでも、現在用意される軽自動車のほぼ上限に達する。装備を充実させた中級グレードになると230万円、最上級は250万円という価格設定だろう。

この200~250万円の価格帯を小型/普通車に当てはめると、トヨタアクアや日産ノートのようなコンパクトカーのハイブリッド車に匹敵する。ノーマルエンジン車なら、スバルインプレッサやマツダ3といった3ナンバー車にも手が届く。軽自動車では際立って高価格だから、大量に売るのは難しい。

そうなると「一にも二にも電動化」に対応しながら軽自動車を守るには、電気自動車以前にハイブリッドが重要になる。ハイブリッドは電気自動車に比べると、駆動用電池を小さく抑えることが可能で、価格も安くなるからだ。

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