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# エネルギー

CO2削減の負担を「家庭」に押し付ける、時代遅れの「業界団体」あきれた魂胆

菅総理の公約はなんだったのか…

知らない間に負担を押し付けている

菅義偉総理は昨年秋の政権発足以降、相次いで、「2050年に実質カーボンニュートラルを実現する」「(その道程である)2030年度に温暖化ガスの排出を2013年度に比べて46%削減し、さらに高みを目指す」と胸を張って演説。欧州連合(EU)や米国といった先進国と肩を並べる国際公約を打ち出したことをすっかり忘れたのだろうか。

公約実現に向けて、経済産業、環境両省が8月4日に合同で会合を開き、専門家から大筋の了解を得た「地球温暖化対策計画」案は、国内を5つの部門に分け、各部門に政府の2030年度に向けた「46%削減」という削減目標を割り振ったが、炭素税導入のような抜本策に踏み込まない「机上の空論」にとどまった。これでは総理公約の実現は覚束ない。

加えて、削減に必要な部門別のコスト負担の試算がなく、家庭、つまり一般国民がどのくらいの負担増を迫られるか明らかにしていない。ちなみに、部門別のCO2(二酸化炭素)の削減目標は、家庭が66%と現行の39%よりも極端に大きな削減を求められる内容だ。

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業務部門(新たな削減目標50%)、エネルギー転換部門(同43%)、運輸部門(同38%)、産業部門(同37%)を大きく上回り、断トツとなっているのには首を傾げずにいられない。

実は、これほど大きな格差が生じた原因が、産業部門、特に製造業の大き過ぎる政治力にあり、家庭がしわ寄せされたことは明らかなのだ。

例えば、1業種としては圧倒的なCO2排出量を持つ日本鉄鋼連盟の2030年度のCO2排出目標は、2013年度比で0.3%増となっている。つまり、減らすどころか、増やす方針を掲げて経済産業、環境両省に黙認されたのである。

この計画案は、パブリックコメントを経て10月に閣議決定して国策になる予定だが、これまでのところ国民的な議論もしておらず、国民が知らない間に重い負担を押し付けられることにならないか、危惧せざるを得ない状況にある。

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