競泳女子100メートル、200メートル自由形で銀メダルを獲得した何詩蓓選手[Photo by gettyimages]
# 中国 # 香港

東京五輪、中国の国歌を「ブーイング」でかき消した、香港人の「ナショナリズム」

北京オリンピック時とは真逆の事態に

これまでになく大活躍の香港選手たち

今回の東京オリンピックで、香港代表は5つのメダルを獲得している(8月5日現在)。張家朗(Edgar Cheung)選手がフェンシングの男子フルーレ個人で金メダル、何詩蓓(Siobhán Bernadette Haughey)選手が競泳100メートル自由形と200メートル自由形で銀メダルを獲得した。また、卓球女子団体で銅メダル、空手女子形で銅メダルを獲得している。

競泳女子100メートル、200メートル自由形で銀メダルを獲得した何詩蓓選手[Photo by gettyimages]
 

香港代表がメダルを獲得したのは2012年のロンドンオリンピックの銅メダル以来だ。金メダル獲得は史上2回目で1996年のアトランタオリンピック以来となる。香港代表がこれまでに獲得してきたメダルの数は全大会合わせてもわずか3つだったので、わずか1回の大会のメダル獲得数が、これまでの大会メダルの総数を超えたことになる。

香港でも日本と同様にオリンピックへの盛り上がりは開幕前にはほとんど見られなかった。しかし、特に香港代表の選手がメダルを取り始めてからは大きな盛り上がりを見せるようになった。

香港は中国本土とは別にオリンピックに代表を派遣している。香港から初めてオリンピック選手が出たのは1936年のベルリンオリンピックの時だが、この時の選手は中華民国の代表として参加。その後、1950年に香港にも国内オリンピック委員会(NOC)が設立され、1952年のヘルシンキオリンピックから香港独自の代表団を派遣し始めた。

1997年に香港が中国に返還されてからは「ホンコン・チャイナ(Hong Kong, China)」や「中國香港」の名義でオリンピックに参加してきた。今回の東京オリンピックでは、46人の選手が香港から参加している。この香港独自の代表団の存在と彼らの活躍がどのように香港アイデンティティに影響しているのか考察したい。

ショッピングセンター内に展示されている東京オリンピックのキャラクター(筆者撮影)

香港政府が放映権を付与

香港でこれだけオリンピックへの盛り上がりが見られたのは、香港代表のメダル獲得も大きな要因ではあるが、人々が気軽にオリンピックを見られる状況だったというのも大きい。というのは、民放各局が自力で購入できなかった放映権を香港政府が代わりに買ったからだ。

関連記事

編集部からのお知らせ!
SPONSORED

おすすめの記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/