オトコの病気新常識 著者:伊藤隼也
02 前立腺肥大症

『オトコの病気
新常識』

著者:伊藤隼也
講談社
定価1,575円(税込)
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 前立腺肥大症になる原因はよく分かっていないが、発症するとまず前立腺が徐々に膨れ上がって尿道を圧迫し、尿の流れが悪くなって残尿感を覚えるようになる。また、排尿しても膀胱が空にならず、夜間に何度もトイレに行ったり、尿のキレが悪くなったりする(図参照)。

 症状が悪化すると、尿が完全に流れない尿閉という状態になり、膀胱内の圧力が高くなって腎臓に大きな負担がかかってしまう。ときには腎盂(じんう)腎炎(じんえん)や腎障害などを引き起こす危険性もあるので注意が必要だ。

検査で最も重要なのは前立腺がんとの鑑別

 前立腺肥大症の検査では、直腸診が行われることが多い。医師が手袋をはめた指を肛門から挿入し、直腸の壁ごしに前立腺に触れて肥大の有無を調べる。専門医なら、前立腺の大きさや硬さから、肥大の程度を判断することができる。前立腺肥大症なら、前立腺にゴムまりのような弾力を感じるという。

症状の悪化
前立腺肥大の悪化を防ぐ方法には、以下のようなものが挙げられる。
①アルコールを飲みすぎない
②刺激の強い食べ物、動物性脂肪、タンパク質のとりすぎを避ける
③尿意をガマンしない
④便秘をしない
⑤下半身を冷やさない
⑥適度な運動と水分補給を心がける

腎盂腎炎
腎盂とは腎臓と尿管の接続部にある部分。この腎臓や腎盂の片方または両方が細菌に感染し、炎症を起こした状態が腎盂腎炎。健康な人の場合は尿が腎臓の細菌を洗い流しているが、前立腺肥大症になると、尿の流れが悪くなるため、腎盂腎炎の発症リスクが高くなる。