ワクチンを接種するメリットとは?

確かに、ワクチンは完璧な感染症対策ではない。しかも副反応やアナフィラキシーに見舞われる可能性があるなんて「リスクが高すぎる」という意見も理解できる。
しかし、ワクチンはそもそも「感染症のリスクを軽減するもの」であり、「ウイルスから絶対に守ってくれるもの」ではありません

知人のA氏は、まさにこの点について誤解しており、ワクチンの効果に関して疑念を持っていることが伺えます。
「ワクチンを打っても感染症にかかるかもしれないなら、打つ意味が無い」と。

これは、「堤防」と「津波」の関係に似ています。
堤防を築いたからといって、今後それを超える津波が発生する可能性は否定できず、「津波による災害の心配を今後一切しなくていい」というわけではありません。
では、完璧に津波を防げないなら、そもそも堤防を築く必要はないのでしょうか。決してそんなことはないはずです。
100%じゃないなら無駄、ではなく、たとえ100%でなくともリスクを軽減するものとして堤防やワクチンは存在しているのです。

ワクチンによる新型コロナワクチン感染症の発症予防効果は、臨床試験によって、ファイザー社のワクチンでは約95%、武田/モデルナ社のワクチンでは約94%であると確認されており、その効果は接種から6カ月後でも90%以上を維持していると報告されています。
このデータにより、ワクチンは感染症対策として不完全ではあるものの、「免疫の強化によって、感染症のリスクを軽減する」という観点では高い効果を発揮できることがわかります。

A氏の見解では「予防接種した人に限ってインフルエンザにかかっている」らしいのだけど、予防接種によってその病気が誘発されることはありません
新型コロナに関しても、「ワクチンを接種したことが原因で新型コロナウイルスに感染することはありません」と厚生労働省がはっきりと明言しています。
「予防接種した人に限ってインフルエンザにかかっている」ように見えるのは、接客業などで対人コミュニケーションの機会が多い人ほど予防接種を積極的に受ける傾向にあり、ワクチンの接種にかかわらず元から感染症にかかるリスクが高い生活をおくっているためであると考えられます。

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そして、B氏も懸念していた、若年層を中心に見受けられる副反応。なんの前触れもなく体調不良が起これば、誰でも不安になるはず。
しかし、予防接種による副反応は、ワクチンが人体の免疫応答を誘発している証。つまり、ワクチンによって自分の体の中で免疫がしっかりと働いている証拠なのです。だとすれば、それほど恐れるほどのものではありません。
副反応はあくまで一時的なもの。僕は1回目の接種後、少し腕に痛みがありましたが、生活に影響が出るほどではなく、その痛みも2日ほどで解消されました。

また、アレルギー反応であるアナフィラキシーについても、僕は特に心配することなくワクチンを打ちました。
なぜなら、我々は元々アナフィラキシーの危険に晒されながら日常を生きているからです。

アナフィラキシーの誘因には、ワクチンなどの医薬品の他に、ハチやアリなどの昆虫、さらには果物・ナッツ・甲殻類などの食べ物も含まれます。アナフィラキシーの危険は、なにもワクチンに始まったことではないのです。
さらに、ワクチン接種会場には医師が常駐し、万が一のアナフィラキシーに備えた体制が整えられています。仮にアナフィラキシーと疑われる症状が見られても、医師から早急に処置を受けることが可能です。

アナフィラキシーの誘因は世の中に溢れている。早目の処置をすれば改善することもわかっている Photo by iStock