「2035年ガソリン車廃止」急加速するEVシフトの“不都合すぎる真実”

EVの方が省エネだとは全く言えない

露骨なEV優遇策とガソリン車差別

EUはガソリン車やディーゼル車の販売を2035年に廃止することをしきりにアナウンスし、時代は電気自動車(EV)に向かっているかのような報道ばかりが流れている。だが、このEV化の流れが本当に定着するのかと言えば、私は大いに疑問を感じている。

確かにヨーロッパにおいて急速にEVが普及し始めているのは事実だ。最も普及が進んでいるノルウェーでは、昨年(2020年)の新車販売台数(乗用車)ではEVが7万6804台となり、全体に占めるシェアが54.3%に達した。12月の販売台数に限れば、EV比率は66.7%となっている。今年(2021年)の新車販売台数でノルウェーのEVのシェアが2/3を超えるのはほぼ確実であろう。

だが、ここまで普及が進んでいる背景には、EVに対する様々な優遇策に加え、ガソリン車に対する巨大なペナルティーが存在している。

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ノルウェーでは新車購入時にEVを選択すると、ガソリン車と比して割高感のないようにされている。これはEVに対する様々な優遇策が採用されていることもあるが、逆にガソリン車に対してとてつもないペナルティーを課しているということでもある。

例えば、独アウディのガソリン車「A7」の税抜き本体価格は32万クローネ(458万円)だが、ここに付加価値税が14万クローネ、二酸化炭素排出税12万5000クローネ、自動車重量税11万クローネなどが加算されて、総額では69万7000クローネ(997万円)となる。驚くべきことに、これはもともとの本体価格の2倍以上に相当する。

これに対して、テスラのEVセダン「モデルS」の本体価格は、税抜きで63万6000クローネ(約910万円)であり、本体価格で見れば「A7」の2倍近い。だが、付加価値税、自動車重量税などが免除され、結果として、実売価格は本体価格とほぼ同じ63万8000クローネ(約913万円)にとどまる。この結果「モデルS」は本来は2倍の価格であったはずなのに、「A7」よりも実売価格では1割近く安くなるのである。

 

この他にもノルウェーではEVに対する優遇策がいろいろとある。一人だけで乗っているわけではない時に限ってではあるが、EVはバス専用レーンを通行してもいいことになっている。道路使用税もEVは減免されている。EVだと高速料金もカーフェリーの利用料金も公共の駐車場の駐車料金も無料とされてきた。こうした優遇策は見直される方向に動き始めているのは確かだが、今なお大きな役割を果たしている。

一方、ガソリン価格は高額の税金が課されてリッター300円程度になっており、ガソリン車はランニングコストにまでペナルティーが課されている。

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