妊婦にこんなことするんだ…結婚せずに出産して見えた「日本の現実」

松田青子さんインタビュー
小泉 なつみ プロフィール

《母性》なるものに対する違和感

「人はそれぞれ違うし、毎日はたくさんの気持ちや出来事からできていますよね。《妊娠》や《出産》も本当に人それぞれ、全然違うものです。

なのに、テレビなどで見る《妊婦》はゆったりしたワンピースを着て安らかに微笑む《母性》の塊のような人物として描かれていることが多くて、それ以外のリアルな妊婦の姿ってほとんど登場しない。それは《母性》にしろ《妊婦》にしろ《母親》にしろ、『こういう感じなんでしょ?』みたいなイメージだけで語られているからだと思うんです。

私は元々《母性》として語られるあらゆることに違和感があったのですが、子どもを産んでみても、やはり違和感は変わりませんでした。子どもに対するあらゆる気持ちって、《母性》じゃなくて、ただ自分の気持ちじゃないですか。ある時、子どもを産んだタレントの人がブログに『この子を大切にしたいって気持ちが湧き上がってきた。これが“母性”ってやつか!』みたいなことを書かれていたんですが、自分から《母性》に寄せていかなくてもいいんじゃないかと。今そこにある確かな気持ちは『この子を大切にしたい』であって、それをわざわざ《母性》という言葉に当てはめなくてもいいですよね。

《母性》的なものがあるなら、それはそれでいいんです。ただあまりに《母性》が確実に、絶対に存在するものとして語られてしまうのはこわい。それがあって当然になってしまうと、『子どもにイライラしてしまうのは自分に《母性》が足りないからだ』とか、『女性には《母性》があるから育児を任せよう』みたいな、簡単に呪いの言葉になります。

自分が思うのは、ありものの言葉に自分を寄せていったり、はめこまなくていい、ということです。《妊娠》や《出産》は一人ひとり違う。だから、《 》の中の体験を自分なりに名付けていけばいいんじゃないかって思うんです」

 
編集部からのお知らせ!

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/