2021.08.07
# 鉄道 # 観光

地方鉄道の苦しい実情…「旅行できない夏休み」が観光鉄道に与える大きなダメージ

津軽鉄道線のこれまでとこれから
佐藤 信之 プロフィール

令和2年は、雪が溶け始め春めいてくる4月から近隣の芦野公園の桜が満開になる5月まで、緊急事態宣言により、斜陽館は閉鎖された。5月14日に大都市以外は解除となり開館したが、観光客を送り出す都市の側では宣言が継続され、入込は芳しくなかった。

その後7月の下旬に、ツアー旅行が実質半額となるGOTOトラベルキャンペーンが開始され、夏の間、次第に観光客は増加した。東京都発着の旅行がGOTOトラベルの対象に加えられた10月には、斜陽館の入館者は、コロナ前の前年に比べて約1500人減の4808人まで回復した。しかし、その後国内の感染者数が増加に転じ、年末には過去最大数にまで達した。感染者数の増加に応じて観光客も減少していった。

令和3年の1月には東京都など大都市で再度緊急事態宣言が発出され、GOTOトラベルも一時停止になり観光客数は低迷し、桜が満開となる5月も大きく減少したままであった。

様々な観光施策を行なってきたが

津軽鉄道は、冬の閑散期にストーブ列車を運転している。旧型客車にだるまストーブが2台設置されていて、スルメなどを炙って酒のあてに供するのである。乗車にはストーブ列車券400円が必要である。

津軽鉄道線のストーブ列車[Photo by gettyimages]
 

ストーブ列車券の売り上げ(団体のみ)は、コロナ前の平成30年末からのシーズンが9594枚、令和1年6827枚、そしてコロナ禍の令和2年には2492枚まで減少した。

貸し切りを含む団体客は、令和1年度は2万4398人で、インバウンド観光客は台湾2237人、韓国18人、その他227人、一方でコロナ禍の令和2年度の団体客は2492人で、台湾、韓国からはゼロで、海外の合計が88人にとどまった。

津軽鉄道の旅客輸送量の変化(筆者作成)
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津軽鉄道では、太宰治の生誕を記念して、誕生日の6月19日から9月末まで、車内で太宰の作品を津軽弁で朗読する太宰列車を運行している。

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