2021.08.05
# 政治政策

問われる外交手腕…日本はミャンマーでも「ワクチン外交」を展開できるか

中国寄り一辺倒にさせてはいけない

米中競争下での「ワクチン外交」

日本政府が、予算増を図ったODAで、アジア諸国に無償で、日本国内で製造したイギリスのアストラゼネカのワクチンを提供する。米中「競争」時代の21世紀の国際政治の動向をふまえた「ワクチン外交」だと言える。

 

日本国内では、同盟国アメリカから調達したファイザーやモデルナのワクチンで自国民の接種を急いでいる。対外援助では、準同盟国と言うべきイギリスのアストラゼネカのワクチンを提供する。既に日米による台湾に対するアストラゼネカのワクチン供与は、中国を意識した同盟国網の動きとして、大きな話題となった。今後も日米で、インド太平洋地域で、特にアジア諸国に対して、中国の自国産ワクチン供与を意識しながら、供給を進める。

米中「競争」関係を反映した「民主主義vs専制主義」の構図そのままに、日本のワクチン外交を展開させるわけである。

[PHOTO]gettyimages

アジアの自由主義国の雄である日本の「ワクチン外交」の成否は、21世紀の国際政治の全体動向にも少なからぬ影響を与えていくだろう。供給量や、スピードが重要になることは言うまでもない。だが同時に、質的差異を見せられるかも、問われていくだろう。

たとえば2月のクーデター以降、政情不安が続くミャンマーはどうなるのか。中国はすでにミャンマーに対する自国産のワクチン提供を始めている。自由主義諸国が、新型コロナ危機にあえぐミャンマーを、ワクチン供給や人道援助の面で見放すようなことがあれば、信頼性も揺らぐ。ミャンマーのような国をめぐってこそ、日本外交の芯の強さが問われる。

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