# 税金

10月の「たばこ増税」が、“非喫煙者”の懐事情にも影響するかもしれないワケ

たばこだけで賄うのはもう厳しい
鷲尾 香一 プロフィール

「税金を吸っている」ようなもの

それは、2018年から「高齢化の進展による社会保障関係費の増加等もあり、引き続き国・地方で厳しい財政事情にあることを踏まえ、財政物資としてのたばこの基本的性格に鑑み、たばこ税の負担水準の見直し等を実施する」として複数年にわたる“たばこ増税”が始まったことだ。(表4)

表4:最近のたばこ増税の動き

ここ数年で、紙巻きたばこで3回、加熱式たばこで5回、軽量葉巻で2回の増税が実施・予定されており、今年10月1日からのたばこの値上げもこのスケジュールに沿ったものだ。

この間、紙巻きたばこで言えば、2018年9月まで12.244円(1本当たり)だったたばこ税は、2018年10月、2020年10月、2021年10月に1円ずつ引き上げられ、今回の値上げで15.244円(1本当たり)となる。

冒頭に述べたように、代表的な紙たばこ「メビウス」は540円から580円に40円値上がりする。

前回の値上げ2020年10月の時は490円から540円に50円値上げされた。たばこ税が1本当たり1円の値上げであれば、1箱20本入りの値上げは20円のはずだが、消費税分が加算されることで前回50円、今回40円という値上げ幅になっている。

現在のメビウス販売価格540円のうち、消費税を含む税金部分は309.4円であり、販売価格の61.8%を占めている。簡単に言えば“税金を吸っているようなもの”なのだ。

 

“たばこが離れ”が進む中で、それに拍車をかけるように値上げをし、“破綻型ビジネスモデル”となりながらも、それでもなお値上げをするのは、この“税金”に根源がある。

販売本数がピークだった1996年から58.2%も販売本数が減少した2017年にあっても、たばこ税による税収は2兆円台を維持してきた。(表5)

表5:たばこ税の税収推移(兆円)/財務省資料より筆者作成

つまり、たばこ離れが進む中で、健康被害の悪役にされがちなたばこには、「値上げに対する抵抗感が薄い」ということを利用して、税収2兆円を維持してきたのだ。

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