「五重苦」に見舞われたリニア中央新幹線、その“未来”はあるのか

「英断」が求められている?

リニア中央新幹線、工事の残土は?

「燕沢(つばくろさわ)は、登山道と大井川のすぐ脇です。そこにJR東海は約360万立方メートルものリニア残土を積む予定。熱海の土石流は、それがいかに危険な行為であるかを証明したのではないでしょうか」

こう語るのは、『悪夢の超特急 リニア中央新幹線』の著書がある樫田秀樹氏だ。樫田氏は、これまでに反対運動の市民団体と2度、燕沢現地に入り、高さ70メートル、幅300メートル、長さ500メートルに及ぶ残土置き場の危険性を訴えてきた。

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熱海土石流の起点近くの盛り土は約7万4000立方メートル。盛り土とは、土砂を運び込み、傾斜地を平らに造成する建築工法だが、地球温暖化を契機とする集中豪雨の多発が、河川の氾濫、崖の崩落などさまざまな惨事を生んでおり、熱海土石流はそれが全国の盛り土に及ぶことを証明した。

 

警告は、静岡県も発している。

<懸念3 大量発生する残土による生態系、環境への影響>

静岡県公式ホームページ「ふじのくに」は、こうしたタイトルで残土置き場の危険性を訴える。

<18ヘクタールもの大規模改変による環境破壊、70メートル規模の高盛土の崩落と大井川に流れ込むことによる濁水、河川閉塞(土砂ダム)による災害の発生が危惧されます>

リニア中央新幹線の工事で発生する残土量は東京ドーム50杯分の約5680万立方メートル。静岡県の約360万立方メートルはその16分の1に過ぎず、熱海土石流は工事の沿線で同じような問題が発生する危険性を印象付けた。

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