東京オリパラ後も忘れてはいけない「性」をめぐる「世界陸連規制」の問題点

性を、人を大切にするということ

DSDs=体の性の様々な発達

コロナ禍で行われた東京オリンピック・パラリンピックも閉幕からもう2か月。

オリンピックでは「多様性と包摂(diversity and inclusion)」そして「ジェンダー平等」をスローガンに掲げ、LGBTQ等性的少数者であることを公表した選手の出場は過去最多となりました*1。オリンピックの開会式ではMISIAさんがレインボーカラーのドレスをまとい、競技ではトランスジェンダー女性のローレル・ハバード選手が女子重量挙げ87キロ超級で出場しました。

ですが、この「多様性と包摂」「ジェンダー平等」をスローガンとする東京オリンピックで出場できなかったり競技変更を余儀なくされたりした女性選手たちがいます。

ひとりは女子800mでこれまでオリンピック2連覇を果たした南アフリカの女子陸上選手キャスター・セメンヤさんです。彼女は世界陸連によるテストステロン規制の影響で東京オリンピックには出場できませんでした。

キャスター・セメンヤさん/photo by gettyimages
 

そして元々は女子400mで活躍していたにもかかわらず、世界陸連の同規制により、規制外の女子200mへの出場を余儀なくされたナミビア共和国のまだ18歳の女子選手もいました*2

セメンヤさんが持っていると言われているのはDSDs=体の性の様々な発達(性分化疾患)です。一般社会ではトランスジェンダーの人々との混同が今でも散見されます。

また、大学の先生方でも相変わらずDSDsを「ジェンダーの問題」と誤解していたり、「こういう人もいるから性はグラデーションで、男女二元論は間違い」などと、DSDsを持つ人々を何かの「理由」のように言う人もいます。

この記事では、現実のDSDsとはどういうものなのか、そして世界陸連による女子選手に対するテストステロン規制の問題点について、海外のメディアで指摘されているところを整理したいと思います。

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