今回JAXURYとして取り上げるテーマは、アウトドア。ニューノーマル時代になり自然を求めキャンプを始める人が増加し、異業種からの参入も相次ぎ、アウトドア市場が盛り上がりをみせています。そのブームを牽引するのが、キャンプを遊びとして終わらせず、アパレルや地方創生などさまざまな事業を媒体に「野遊び」を世界に向けて発信し、新たなる道を切り開いているスノーピーク。2020年に過去最高の業績を上げ、2022年春には、複合型リゾートを開業し新しい価値観(=人間性の回復)を提案。キャンパーのみならず、世界中で愛されているスノーピークの魅力をお2人にお話ししていただきます。

そもそも『JAXURY』とは?
FRaUが発信する、世界に誇れる日本の美しさ「JAXURY」を徹底解説!
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本日のテーマ: ラグジュアリーの原点である自然との共存
Lesson1 ビジネスの新定義となる共感、共鳴、そして共創
Lesson2 スノーピークが取り組む社会課題解決という名のデザイン
Lesson3 自然との共存を学ぶのがアウトドアラグジュアリーのカギ

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Lesson1 
これからのビジネスは共感、共鳴、そして共創

森岡:僕の周りのアウトドア好きは、服もギアもスノーピークとパタゴニアの愛用率が高いです。ファッション的なアプローチ、モードなデザイン提案をしているところは他ブランドにもありますが、器量として考えたときには間違いなくこの2択ですね。

スノーピークを代表する名品、焚火台はキャンパー憧れの一品。金物の街・新潟県燕三条の自社工場で一つひとつ丁寧に作られている


中野:両ブランドともに、昔からコツコツと企業の理想を重ねてきたところに、コロナが追い風になり人気が加速したという感じがします。時代の追い風を受けていますよね。

森岡:ともに信者がいて、商品に安心感があるのはもちろんですが、作り手・消費者ともに企業そのモノを愛していますよね。そこが他のアウトドアブランドとは違うところ。値段が安いブランドはたくさんありますが、消費者はスノーピークやパタゴニアのアイテムをファッションとして買っていない。この会社の商品なら高くてもいい、職人や地方産業を大切にし、社会還元をしていると思えるから、値段が高い理由も納得できるんです。

中野:まさに新しいラグジュアリーの方向の王道を行っています。

森岡:とくにキャンパーは使い勝手や安心感を突き詰めるほど、結果スノーピークのアイテムを買ってしまうみたいですね。

中野:スノーピークとパタゴニアはアウトドアの視点だけではなく、企業のブランディングストーリーという点でも注目されています。ともに顧客とサプライヤーの関係に信頼関係があるので、不況でも、多少値段が高くても、モノは売れ続け、ビジネスが不安定にならない。ブランディングがしっかりと確立されているお手本として挙げられる企業ですね。今は彼らのような消費者へのアプローチで存在感を広めていくブランドが際立っているなと感じます。

――消費者を巻き込んだコミュニティがきちんと成り立っているのですね。

中野:さらに、社員の教育、幸福度、社会への還元度など、企業としてのフェアネスもすべて含めてブランディングができている。その企業理念に共感した意識の高い人が繋がり、コミュニティができ、心地いいと感じた人がファンになる。いいサイクルが生まれていますね。

――スノーピークはあえてマーケティングをせず、ユーザーの声に耳を傾けることを重視しているそうです。

森岡:そう、スノーピークは、人の声を聴いたモノづくりが1つテーマですよね。今は、モノのクオリティだけではなく、コミュニティが重要視されるようになってきた時代だと感じます。そこからファンに繋がるのが新しい輪の作り方。様々な問題が挙げられたときに、企業はコミュニティを通してそこをクリアし、乗り越え、さらに絆が深くなりブランド価値も上がるのでしょう。

スノーピークがユーザーとともにキャンプを楽しむイベントSnow Peak Way は今年で24年目を迎える。1997年に始まった日本のオートキャンプブームの収束で、スノーピークの経営も危機的状況に陥ったことがある。そんなときに、ユーザーの声を聞くことが大切だと社員の声で始まった。ユーザーと社員が焚き火を囲み、製品のこと、キャンプのことを話しリアルな声を聞くことで、数々の製品が誕生した。

中野:これからはブランドが一方的にメッセージを発信してもインパクトが薄い。ブランドの価値を共に作る形に消費者は価値を見出していると思います。スノーピークはかなり前からそういった取り組みを着々と進めている感じがします。

森岡: 昨年、山井(太)会長から長女の山井梨沙社長が経営のバトンを引き継ぎ、創業家3代目ですからね。そう考えたら、経験を積み、アイデンティティーを継承した信頼を置けるブランドであります。中野さんが言われるように、この先は、共感、共鳴プラス共創という考え方が時代の扉を開く鍵になると思います。

中野:共感、共鳴、共創ですね。

森岡:様々なベクトルで今「共創」が必要と感じますね。昔、ラグジュアリーは店構えも商品情報もクローズで排他的なモノでしたけど、今はそうではなくなってきています。そういう意味では今までのラグジュアリーは門が閉じていたけれど、スノーピークは正反対。門が開いている感じがありますよね。基本的にウェルカムです、でも合わない人はどうぞいつでも退出してくださいという感じですね。

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中野:とくにハイブランドは閉鎖的でした。けれど、今では顧客と情報をシェアする手法を取り入れるところもでてきました。西洋の価値観の支配下に置かれることが続く限り、日本のいいモノが世界に出にくくなる。JAXURYはまずその閉鎖的な環境から脱出するところから始めないと。

――企業だけの問題ではなく、人間も共感、共鳴、共創な人でないと、今後はダメな気がしますね。