やんちゃして爆発することも大事

早川さんによると、堀米の母親はスケートボードについては一切口を出さないという。堀米がスケートを始めるまでは、父亮太さんがスケートに行くことを嫌がっていた。そのうち「雄斗を連れて行くから」ということで、亮太さんも大手を振ってスケートに行けるようになったのだという。

「雄斗だってごく普通の少年でした。スポーツをやる子どもたちは、親が練習に連れて行って、帰って、食事して、寝て。学校が終わったらまた練習、みたいになりがちですよね。そういった生活でストレスは発散できません。やんちゃして、親子げんかもして、爆発することは成長に大事なことだと思う。そこを大人が大事にしてあげないと、子どもは耐えられませんよ。すごくうまかったのに、やめてしまう子も中にはいます。スケボーが嫌いになった、やりたくないと聞くと、キツいなあと思っちゃいますね」

-AD-

筆者自身、小学生時代にやりすぎて、もしくは親からの圧力に耐えきれず、スポーツをやめてしまう子どもたちをたくさん見てきた。
毎週末は、試合後に親からダメ出しをされて泣きながらビデオを観させられる、ミニバスケットボールクラブの小学生。朝練習に行かないと叱られるサッカー少年。コーチに「バカ」「死ね」と暴言を吐かれて泣いていた女の子と、枚挙の暇がない。

最後はそのスポーツが心底好きな人間が生き残る。そして、堀米のように勝利を手に入れる。つまり「好き」には、破壊力があるのだ。
スケートボードにかかわらず、大人たちは、そこにもっと目を向けてほしい。

「好き」を自由に伸ばしてあげることと、大人が好きを利用して子どもを縛ろうとすることは大きく異なる 撮影/渡部薫(JMPA)