「親のスパルタ教育」との乖離

9歳のプロが生まれるようなこの競技、多くは親がボーダーで、子どもに教えるパターンだ。早期教育が当然の環境では、わが子に期待する親のスパルタ教育が成長を阻害するケースは少なくない。他の競技で筆者もみてきたが、「この技ができなければ食事抜き」と命じ、子どもが泣きながら練習するというケースもみられる。

そういった親たちと堀米の両親の圧倒的な違いを、早川さんは「求めるものの違いではないか」と言う。

「スポーツに求めるものは何なのか。その子が求めるものと、ついてる親や大人が求めるものがすれ違うと、子どもはいつか(競技から)離れていきます。お金だったり、名声だったり、でしょうか」

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子どもが好きなことをいかに純粋にサポートできるか。それをやり続けたのが、堀米家であり、早川さんなのだろう。
「父親が方向性は見せているが、興味をもってやるのは雄斗の意思なんです」
早川さんがそう思えるのは、雄斗が12歳のときに亮太さんがこう言ったからだ。
「こけても、こけても、雄斗は楽しそうに滑る。スケボーにハマった。もう大丈夫だ」

こけることで心が折れていたら、スケートボードはできない。この時も転んだ末に優勝。失敗しても、カッコよく滑りたい。その思いが力を伸ばす Photo by Getty Images

もちろん、他の子たち同様に反抗期もあった。
「15、16歳くらいでしょうか。(コンテストに)来んなよ、なんてお父さんに言ってましたね。そこで、親のほうは『思春期だし、まあそうだな』とすんなり引いた。あそこであれ(違う技)やったほうがよかったんじゃないの? くらいは言ってたかな。でも、うっせーって言われて(笑)。まあ、反抗しても、見ればと言われたビデオを見て拾っていた。いい関係でしたね」