東京オリンピックで多くのアスリートたちがみせる全力のプレーは多くの感動を生み出している。その中でひときわ注目を集めたのが、7月25日にスケートボート男子ストリートで金メダルに輝いた堀米雄斗選手だ。東京都江東区出身の22歳。2本目のトリックで失敗した時も動揺なく、3本目のトリックで高得点をたたき出した。とてつもなく難しい技を簡単そうにこなす様子は、まさに「楽しそう」だった。「楽しそうにできる環境」はどのように作られたのだろうか。

2年前に堀米選手にインタビューしていたジャーナリストの島沢優子さんが、改めて11歳のときからみてきたコーチに話を聞き、堀米選手の「好き」を自由に伸ばした大人たちの存在についてお伝えする。

金メダルを見せる堀米選手 Photo by Getty Images
撮影/渡部薫(JMPA)
島沢優子さん連載「子育てアップデート~子どもを伸ばす親の条件」今までの連載はこちら
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宣言通りのパフォーマンス

スケートボード男子ストリート決勝。金メダルが遠ざかりそうになった堀米雄斗(22=XFLAG)が4本目のトリックを成功させ首位に立ったとき、筆者はすぐに堀米の言葉を思い出した。

「僕がいかにスケートボードが好きで、楽しく自由に滑っているかを、みなさんに感じてほしい」

2年前の取材。
2020東京の目標を尋ねると、迷うことなくこう言ってのけたのだ。それに続くコメントも秀逸だった。
「(金メダル以外の)もうひとつの目標として、この競技らしいストリートのカルチャーを、僕自身が忘れないようにしてみんなに伝えたい」

そう宣言した通りのパフォーマンスで、新種目の初代王者に輝いた。
堀米を11歳から支えてきた日本代表の早川大輔コーチ(47)は、「有言実行。スケートボードのカルチャーを表現してくれたと思う」と満足そうに話した。

メダルが決まってハグをした早川大輔コーチと堀米選手 撮影/渡部薫(JMPA)