女子サッカー部のある中学はわずか56校

公益財団法人日本中学校体育連盟加盟校調査集計(確定値)」によると、なでしこがW杯を制した2011年度は女子サッカー部のある学校は668校、部員は3946人だったのが、最新集計の2019年はわずか56校で部員は5894人。部員だけが増えているのは男子サッカー部に所属するからだろう。加盟校最多の7839校、部員数は2位で13万9017人という女子バレーボールと比べれば、どれだけ少ないパイから選手が育ってきているかがわかる。

無論、女子サッカーは中学生年代のクラブに所属する選手もいるので、上記の人数よりも競技人口は多少増えるが、クラブ数も決して多いわけではない。

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一方で、高校の女子サッカー部は増えている。「公益財団法人全国高等学校体育連盟加盟登録状況」をみると、2011年度に482校、部員8234人だったのが、19年は667校と約1.5倍に。部員も1万0991人になった。
これはW杯優勝後、民放テレビ局が全国選手権の中継を始めた効果が大きいと越智さんは見ている。

「とにかく一気に高校サッカーのチームは増えた。でも、中学校に女子サッカー部がない、サッカークラブは数が少ないので遠くて通えない、という理由で中学生がサッカーを辞めてしまう

越智さんが言うように、中学生で減っているのはわかっている。それなのに、効果的な対策が立てられていないのが実情のようだ。
ただし、部が増加した高校女子サッカーでも、全国大会に行きたい、自分を磨きたいと、他県の強豪校へ進学する選手は増えている。高校野球や男子サッカーで、メンバー表を見ればその県の出身者があまりいないという状況出てきている。

「寮や下宿に入ればその費用も必要です。帰省する交通費だってかかる。今や女子サッカーは、ある意味お金のある家庭の子どもしか続けられないスポーツになってきた

2021年サッカー女子日本代表メンバー。日本の女子サッカーは「幼少期から続けやすい」環境にはない日本で続けてきたメンバーだ Photo by Getty Images