女子サッカー日本代表は7月30日、決勝トーナメント1回戦で優勝候補のスウェーデン代表に1-3で敗れベスト8に終わった。監督の采配やストライカー不足などが敗因とされているが、それだけの問題だろうか。

強豪スウェーデンに敗れ、なでしごジャパンのメンバーが涙する姿も Photo by Getty Images
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多くの先輩たちが発破をかけて

27日の予選リーグ最終戦で格下のチリを下し予選突破した直後、岩渕真奈は「とにかくよかったという言葉に尽きるというか…ひとまず解放された感じはありました」と涙を流した。背負うものが重すぎて心が壊れかかっている顔だった。プレーを振り返れば、全員がまったく楽しそうにプレーしていなかった。これは私だけの印象ではなかったようで、SNSに「楽しそうじゃない」「見ていてかわいそうになる」のコメントは少なくなかった。

なんとか踏ん張る選手たちに、メディアを通してなでしこOGから多くのエールが届く。2011年W杯初優勝の立役者で、4度の五輪出場経験を持つ澤穂希さん(42)のスポーツ報知でのインタビュー記事には「鮫島(彩)や宮間(あや)は全部体を投げ出していました(笑い)」「それを間近で見ていた分、『きれいなサッカーをしているな』と思ってしまう」と書かれてあった。

日本のサッカー女子を牽引してきた澤穂希さん。澤さんが2011年ワールドカップ優勝と2012年ロンドン五輪銀メダルの立役者であることは言うまでもない Photo by Getty Images

元日本代表FWで2015年W杯準優勝メンバーの永里亜紗乃さん(32)は「THE ANSER」の取材に対し、「私は試合にはそんなに出てないけれど」と前置きしたうえで、こう話している。
「2011年のW杯で優勝し、なでしこジャパンは一躍、日本中に知られる存在になりました。でも、このままでは徐々にその記憶も薄れ、一時期のブームとして過去のものになってしまうでしょう。選手たちには自分自身の未来だけでなく、女子サッカーの未来を背負っていることを忘れないでほしい

ほかにも多くの先輩たちのコメント記事が出回った。本記事の元選手のコメントは切り取っており、皆さん励ましのエールを送っている。先輩たちが歯がゆくて、発破をかけたくなる気持ちはよくわかる。

ただ、一競技の強化から普及まで、すべてを選手に背負わせるのは間違っている。ブームで終わらせないよう努めるのは日本サッカー協会であり、女子リーグや女子サッカーにかかわる大人たち全員がシェアするものだ。代表が勝てば追い風になるが、それはあくまで「後からついてくるもの」だろう。

2011年ワールドカップ。確かに素晴らしい勝利だった Photo by Getty Images