提供:伊藤忠商事

青果物をはじめ、果汁100%のジュースに缶詰など、「Dole(ドール)」は、私たち生活者にとって非常になじみ深いメーカーのひとつといえる。そんな中、「Dole」の製品を買うことが、社会貢献につながっているという実感を持っている人はどれくらいいるだろうか。

そこで「Dole」を代表するパイナップルの生産拠点であるフィリピン・ミンダナオ島と「Dole」、地域と企業が互いになくてはならない存在として支え合い、みんなで幸せを目指す循環型ストーリーを紹介しよう。

 \お話を伺ったのはこちらの方々!/
・Dole アジア ホールディングス CAO渡辺慎也さん(シンガポール駐在)
・Dole アジア ホールディングス 大場恵介さん(フィリピン駐在)
・伊藤忠商事 食料カンパニー 食品安全 コンプライアンス管理室長代行 梶川陽平さん(2017〜2019年にフィリピン駐在)

利益は地域への還元から生まれるもの

2013年、世界最大の青果物メーカーである「Dole」は、保有するアジアにおける青果物事業とグローバルに展開する加工食品事業を伊藤忠商事に売却。バナナ、パイナップル、アボカド、パパイヤなど「Dole」のフルーツの生産は、主に開発途上国で行っている。そのため、地域社会との繋がりも強く、共存共栄の関係をどのように維持していくのかが大きな課題だという。

写真/伊藤忠商事提供

「私たちは、生産者を含む地域そのものが豊かになれる好循環を生み出すために、生活インフラを整えたり、学校や病院など地域のコミュニティをサポートしたり、環境保全活動にも力を入れています。さらに、フルーツロスを生まない工夫を取り入れたり、なるべく農薬を使わない生産を検討、生産者の雇用を生み出したりと、サステナビリティ全般におけるさまざまな取り組みを行うなど、伊藤忠商事の理念でもある「三方よし(売手よし、買手よし、世間よし)」を『Dole』なりに実現しています」(Dole アジア ホールディングス CAO渡辺慎也さん)

「近頃は、冷蔵・冷凍物流のようなコールドチェーン技術が発達していますが、電力供給のない国や地域にいかにして届けるのか。また、脱炭素やプラスティックフリーほか、天然由来の糖類を使った栄養価の高い製品の単価をいかにおさえ、お客さまに提供するのか、というところも課題ですね。『Dole』独自のルートだけでなく、親会社である伊藤忠商事のノウハウを活用した新規技術の導入や競争力の高い原材料の調達など、付加価値の改善につとめているところです」(Dole アジア ホールディングス 大場恵介さん)

「Dole」のフルーツの生産拠点であるフィリピン・ミンダナオ島。フィリピン諸島の南端に位置する小さな島で、首都マニラや観光地のセブ島に比べると、生活面における選択肢が少ない。ゆえに生活コストが比較的安いという一面はあるが、人々はみな精神的に豊かな生活を営んでいるという。

「Dole」はこのミンダナオ島で、産業や雇用の創出、環境保護・森林再生から医療福祉や教育まで、さまざまなシーンで地域と事業が支え合う循環を生み出している。

そこで今回は、数ある取り組みの中から「学童用椅子プロジェクト」における循環について話を伺った。

写真/伊藤忠商事提供
「学童用椅子プロジェクト」の仕組み
◆パイナップル輸送時に使われる不要になった木製パレット(材木を運ぶ「すのこ」のようなもの)を原料に、これまで累計70,000脚以上をつくり学校へ寄付。
◆椅子の製作は地元の企業に継続して委託するため、持続的な雇用を創出
◆椅子を受け取る学校の児童は、「Dole Philippines(以下Dolefil)」とNGO団体「Mahintana Foundation」が推進するミンダナオ島南部の河岸・海洋保護プロジェクト「Ridge to Reefプロジェクト」に参加し、自治体のファームから買い取った苗木で植林を行う。苗木の売上というかたちで、自治体にも継続して利益を還元
◆苗木を購入する資金は、上記NGO団体「Mahintana Foundation」に集まった寄付金を中心にまかなっている。寄付者は「Dole」の国内外の取引先企業のほか、地元企業や地方政府など多岐にわたる。

「NGO団体に集まった寄付金は、『学童用椅子プロジェクト』や『Ridge to Reef』を代表とする環境保護プロジェクトをはじめ、医療福祉、学校建設、教育、インフラ整備など、さまざまなプロジェクトに分散して使わせていただいています。

また、寄付者である参画企業は、支援したい活動を選ぶことができます。つまり寄付金を分散でき、自社が単独で行うよりも、幅広い活動への参画をアピールすることで寄付金にレバレッジを効かせられるということですね。寄付をする側にも、受益者となる側にも、非常に多くのメリットがあるWin-Winな仕組みの好例だと感じています」(伊藤忠商事 食料カンパニー 食品安全・コンプライアンス管理室 梶川陽平さん)

写真/伊藤忠商事提供

生産拠点である地域への貢献が、フルーツ産業の理想的なサイクルを形成する。それを持続可能にするには、「Dole」が「地域」にとってなくてはならない存在であることが何よりも重要だと語る。

「フィリピンにおける『Dole』の従業員数は数万人にのぼります。事業を持続可能なものとしていくためには、地域にとってなくてはならない存在であるということが、非常に重要だと感じています。

『Dolefil』を設立したのが1960年代前半。従業員の中には、二代目、三代目にあたる人も少なくありません。そんな風に、年月の経過と事業の拡大とともに着実に地域の雇用を育み、生活者の暮らしを支えてきました。一方で地域の労働者に支えられてきた『Dole』は、得た利益を再び地域に還元。まさに理想の好循環ができあがっているといえます」(伊藤忠商事 食料カンパニー 食品安全・コンプライアンス管理室 梶川陽平さん)

さらに地域の経済を盛り上げるうえで、最近「Dole」がとくに力を入れている取り組みのひとつに、技術者の育成がある。

「畑はもちろん、多くの生産工場を持つ『Dolefil』には、メンテナンス技術を備えた人が多く必要であり、彼らを育成する教材は『Dole』の現場にそろっています。その教材を有効活用しようと、最近、技術者を育成する学校を設立しました。そこに通う地元の若者たちは、重機の操縦やメンテナンス技術を学び、手に職をつけることができます。卒業後は『Dole』に就職する人もいれば、ほかの建設業に就く人も。晴れやかな表情で卒業していく生徒の顔は、今でもすごく印象に残っていますね」(伊藤忠商事 食料カンパニー 食品安全・コンプライアンス管理室 梶川陽平さん)