2021.08.06

メイドカフェの「メイド」が悩む、時間外労働としての「SNS労働」

ツイッターが「お仕事」になってしまう
中村 香住 プロフィール

2005年には、インターネット上の匿名掲示板2ちゃんねるへの書き込みをもとにした恋愛小説『電車男』の中でメイドカフェが取り上げられ、「萌え」という言葉がユーキャン新語・流行語大賞を受賞し、秋葉原ブーム、メイドカフェブームが到来した。メイドカフェのマスメディアへの露出や、秋葉原に関する著書の出版が多く見られたのも、この時期である。それにより、メイドカフェを訪れる観光客も増加したと考えられる。

その後、メイドカフェはメディアに登場することは少なくなったが、主にいわゆる「常連」客に支えられ、じっくりと成長を遂げてきた。具体的には、メイドカフェに多様性が生まれ、さまざまなコンセプトや営業スタイルの店舗が登場するようになってきた。

秋葉原の街並み〔PHOTO〕iStock
 

また、メイドカフェの派生として、忍者カフェや男装カフェなど、メイドとは異なるモチーフをコンセプトとしたカフェも誕生し、「コンセプトカフェ」と呼ばれるようになった。さらに、秋葉原のみならず、全国各地にメイドカフェ・コンセプトカフェが広がり、特に大阪の日本橋や名古屋の大須といった地域にはある程度密集して存在するようになった。

そのような多様化した状況がある中で、「メイドカフェ」を適切に定義するのはたいへん難しい。一番の問題は、店舗によって営業スタイルがさまざまであることだ。にぎやかなBGMが流れ、ステージでライブやイベントが行われたり、「萌え」が前面に押し出されていたりするようなエンターテインメント性の高いメイドカフェもあれば、落ち着いた雰囲気の、一見一般的な喫茶店とあまり変わらない、多くの場合は紅茶が美味しい、クラシカルタイプと呼ばれるメイドカフェもある。

また近年、主にメイドカフェの隣接領域である「コンセプトカフェ」では(「メイドカフェ」と「コンセプトカフェ」の線引きはたいへん複雑な上、現状では定説も存在しないため、本稿ではいったん措く)、ガールズバーに近い形式も増えており、メイドやキャストのオリジナルカクテルがメニューとして存在していたり、客がメイドやキャストにドリンクを奢ることができるシステムがあったりする場合もある。

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